その頃、フィオレンティーナは大黒柱のガブリエル・バティストゥータが肉離れで戦線離脱という緊急事態にあり、もうひとりの点取り屋であるエジムンドは絶対不可欠な状況だったが、故郷リオへの想い(?)はあまりにも強かった……。
 
 練習ではなく、試合を無断欠席してしまったのはアルベルト・リエラ。今シーズン、ウディネーゼに加入した元スペイン代表選手は、12節のキエーボ戦で試合会場に姿を見せなかったが、後にポーカー大会に参加していたことが判明。結局、公式戦に1試合も出場することなく、11月に契約解除となってしまった。
 
 今をときめくチェルシーのエデン・アザールは昨年11月、パスポートをなくして列車に乗れず、あえなく練習を無断欠席してジョゼ・モウリーニョ監督から叱責を受けた。アクシデントとはいえ、社会人ならその後のリカバリー(連絡するとか)が大事ということか?
 
 最後に、どれだけ練習を無断欠席しようが全く咎められることのなかったといわれる、おそらくサッカー史上唯一の選手を紹介しよう。
 
 それは、あのディエゴ・マラドーナ。ナポリ時代、この“王様”がその日の練習に現われるかどうかは、オッタビオ・ビアンキ、アルベルト・ビゴンといった監督すら把握していなかった。全ては本人の気分次第だったのだ。
 
 遠征でもチームと一緒に移動せず、試合前にようやく合流するということもあったというマラドーナ。それでも、試合では図抜けた技術と戦術眼でチームを完璧にコントロールして勝利に導いてしまうため、コッラード・フェッライーノ会長でさえも口を出すことができなかった(何も文句はなかったとも言えるが)。
 
 また、選手同士の結束も固く、とりわけ仲の良かったフェルナンド・デナポリなどは、監督からマラドーナの居場所を聞かれても、絶対に“口を割る”ことはなかったという。その頃、マラドーナが隠れ家でコカインに興じているのをデナポリが知っていたかどうかは定かではないが……。
 
 マラドーナ次第でチームの勝敗が決まるという特殊な事情・環境のなかで、ナポリは最後までマラドーナの行動には目を瞑り続けたが、今回のロナウジーニョの場合、かつて一世を風靡したとはいえ、やはりクラブから寛大な措置を受けることは難しそうだ。