今度こそマイクロソフトWindows Phone日本上陸の最大のチャンス到来?その可能性を探る

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最近、日本ではSIMフリースマホの話題が大きくなっている。総務省も今回は、本気でSIMフリーの義務化をキャリアに指示しているからだ。SIMフリースマホは、格安SIMなどと組み合わせて通信費の節約ができることから、日本でも関心度が急速に高まっている。

ふってわいたような日本のSIMフリースマホ市場のおかげで、PC界の巨人マイクロソフトのWindows Phoneスマホが日本に登場する可能性が浮上してきた。

新型タブレット『Surface Pro3』『Surface 3』を発表し、ノートPCとタブレットユーザーのどちらも取り込もうと意欲を見せるマイクロソフト。『Surface Pro3』は7月17日から日本でも販売を開始。『Surface 3』は8月末の発売予定で、今から登場が待ち遠しいところだ。ところが、こうした最新タブレットと組み合わせて利用するスマホを見てみると、日本では『Surface』と最も連携できるマイクロソフトのWindows Phoneが久しく発売されていないため、iPhoneやXperiaなどの製品しかない。

せっかく『Surface Pro3』『Surface 3』が売れたとしても、スマホでアップルやグーグルのサービスを利用されるのでは、むしろタブレットもiPadやGALAXY Tabのほうが便利と思われても仕方ない。

つまり、マイクロソフトは『Surface Pro3』や『Surface 3』を売るためにも、『Surface』を活かせるWindows Phoneを日本で発売する必要があるのだ。

とはいえ日本で発売されたWindows Phoneは2011年夏のIS12Tが最初で最後。すでに3年も前の話であり、もはやWindows Phoneは日本では忘れられた存在と言ってもよいだろう。またIS12T発売当時は、Windows Phoneに対応するアプリの少なさや当時のWindows Phone7使い勝手の悪さから、日本でメジャーな存在とはならずに消え去ってしまった。

だが現在のWindows Phone 8は、IS12Tから4年がたち、大きく進化している。最新モデルの『ノキアLumia 930』では5インチの大型高解像度ディスプレイを採用し、CPUもクアッドコア2.2GHzとXperia Z2に匹敵するほど高速でハイスペックだ。またカメラは20メガピクセルで、ドイツのカメラの老舗メーカー、カールツアイスのレンズユニットを搭載。スペック以上に美しい写真を撮影することができる。最新システムとなるWindows Phone 8.1ではタイル状のアプリアイコンの配置も自由度を増して使い勝手もiOSやAndroidを一部ユーザーからは凌ぐとさえ言われている。


Windows Phoneの最新モデル、Lumia 930は使い勝手も格段にアップ


Lumia 930は7月から海外各国で販売が始まっており、購入者の評価も高い。だが海外でこのような新機種が発売されても今までは日本では無縁の話だった。日本で発売されるスマホは、そのほとんどがドコモやau、ソフトバンクなど通信キャリアが販売するからだ。海外で大々的な発表会が開催され、知られている最新スマホであっても、日本の通信キャリアから発売されなければ、日本で利用することはできない。

ところがその状況が変える可能性が、日本でのSIMフリースマホの販売だ。今や大手メーカーのファーウェイまでもが、この6月からSIMフリースマホを投入した。またサムスン電子やLGエレクトロニクスもSIMフリースマホを投入予定で、格安SIMのMVNOキャリアと組み合わせて自由に利用できる環境が確実にできつつある。

こうなると、既存の大手通信キャリアからのスマホ本体が販売されなくても、マイクロソフトがLumia 930をSIMフリースマホとして日本販売することも、今ならば可能だ。


独自ブランドスマホに続き、大手メーカーのファーウェイも日本市場にSIMフリースマホを投入


販路もマイクロソフトには、『Surface』シリーズなどで関係が深い家電量販店やPCショップがあるまた企業向けでは、代理店とも密接な関係も保持している。販売経路については、こうしたこれまでの資産を活用すれば問題はないだろう。

Windows Phoneは主要なソーシャルサービスに対応しているし、標準の電話帳である「ピープルズ・ハブ」はFacebookやTwitterアカウントとも連携されている。SNSとWEBが主体のスマホ時代の今、Windows Phoneは使いやすい製品と言える。マイクロソフトが日本でWindows Phoneを販売する日は遠からずやってくるのではないだろうか。


山根康宏