聖地マラカナンで2発!ハメス・ロドリゲス「夢が叶った」

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[6.28 ブラジルW杯決勝トーナメント1回戦 コロンビア2-0ウルグアイ リオデジャネイロ]

 今大会最注目の新星が、またしても決めた。コロンビアのMFハメス・ロドリゲス(モナコ)が4戦連発となる先制点を含む2ゴールでチームを初のベスト8に導き、自身も大会通算5ゴールで得点ランキング単独トップに立った。

 今大会3度目のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたハメス・ロドリゲスは「歴史的な勝利だ」と、コロンビア史上初の準々決勝進出を喜び、「夢が叶った」と自身のゴールにも酔いしれた。

「ずっとマラカナンで点を取りたいと思っていた。そして今日、それが実現したんだ」。サッカーの聖地と言われるマラカナンスタジアムには7万3804人の大観衆が詰めかけていた。そのうちの大多数がコロンビアサポーター。圧倒的な声援を背中に受け、10番が魅せた。

 前半28分、MFアベル・アギラールが頭で前方に跳ね返したボールをペナルティーエリア手前で胸トラップ。ノーバウンドで迷わず左足を振り抜いた。弾丸ボレーはクロスバーの下側を叩いてゴールネットを揺らした。グループリーグ初戦から4戦連発となる先制点。後半5分には左クロスを逆サイドのMFファン・クアドラードが頭で折り返したボールを右足で押し込み、追加点を奪った。

「ウルグアイはボールの後ろに多くの選手を置いてきた。だから僕たちは前線で動き回る必要があった」。5バック気味に守備を固めてきたウルグアイ。それでも、一瞬空いたバイタルエリアのスペースを逃さないスーパーゴールで先制し、サイドを揺さぶってのお手本とも言える追加点でゴールをこじ開けた。

 前回ベスト4のウルグアイを叩きのめす2ゴール。後半40分、交代でピッチをあとにする背番号10には大歓声と惜しみない拍手が送られた。ホセ・ペケルマン監督も「彼の自信は試合を重ねるごとに高まっている」と、その成長のスピードに驚嘆する。

 準々決勝の相手は開催国のブラジルだ。「僕らの前にはさらなる困難が待ち受けている。でも僕らはもっと上に行けると信じている」。今大会優勝候補筆頭の王国撃破に自信を見せたハメス・ロドリゲス。22歳のレフティーが、大会の主役へと躍り出ようとしている。

(取材・文 西山紘平)