【2014年夏】第96回全国高等学校野球選手権 西東京大会 展望
昨年の西東京は日大三が3年連続出場を果たした。今年も日大三は投打ともに能力が高い選手が揃っており、優勝候補として注目されている。日大三を阻む学校はどこになるか？が焦点になりそうだ。
日大三・片倉ブロック釘宮光希（日大三）
日大三は大型選手が揃い、どこからでも一発が打てる打者が揃う。2番打者ながら180センチ80キロと恵まれた体格を誇り、本塁打を連発。2番打者の概念を覆す強打者・新井 仁盛（3年）、打っては本塁打を打つ長打力があり、投げては140キロ前後の速球、キレのあるスライダーで勝負する釘宮 光希（3年）、2011年の4番・横尾を彷彿とさせる強打者・廣谷 真也（3年）、投手陣では最速148キロ右腕・三輪 昂平（3年）、速球派左腕・佐渡 俊太（3年）と個々の戦力は全国クラス。その日大三だが、秋、春ともに接戦に敗れており、いかに接戦を制する戦い方を身に付けるかが課題となるだろう。
同ブロックには桜美林、創価などの強豪校が登場。創価は縦のスライダーを武器にする大久保に注目。また隣のブロックには佼成学園。エース小玉 和樹（2年）に、強肩強打の遊撃手・北 竜馬（3年）と好選手が揃う。
都立片倉は投手陣の層の厚さが魅力。本格派右腕・長島 隼輝（3年）、常時130キロ中盤の速球を投げ込む矢ケ崎 光（2年）、粘り強い投球が光る技巧派左腕・馬場 岳大（2年）の3人に注目。
打線は状況に応じて、バント、強打を使い分け、波に乗ると一気に大量点を取る破壊力も魅力だ。同ブロックには破壊力ある打線が持ち味の都立日野、140キロ右腕・四戸 洋明（3年）を擁する国士舘、最速143キロ右腕・坪井 将希（3年）、大型遊撃手・奥村 大貴(3年）擁する明大中野八王子、好左腕・鈴木 康平（3年）擁する聖パウロ学園などの強豪がノーシードで登場し、非常に熾烈なブロックといえるだろう。
[page_break:東海大菅生・八王子ブロック]東海大菅生・八王子ブロック坪井将希 （明大中野八王子）
東海大菅生は小林 大（3年）、高橋 優貴（3年）の両左腕に、打線は強打の三塁手・富塚 樹也（3年）に注目。
ノーシードには早稲田実業が登場。早稲田実業は複数の投手陣の継投で、最少失点に抑え、打線ではスラッガー・加藤 雅樹（2年）、兼城 賢人（3年）を中心とした打線は強力。戦い方をしっかりと掴んでいけば、一気に上位に勝ち進む強さを持ったチームだ。
また俊足打者・三瓶 直也（2年）が突破口を切り開き、つながったときは一気に大量点を奪う打力がある都立府中東、明星はエース・古谷 歩夢（3年）を中心に守り抜いて、一発を打つ長打力のある鈴木 雄斗（3年）を軸に点を積み重ねる。
シード校の八王子は遊撃手・菅原 恒介（3年）を中心に守り勝つチーム。菅原は一発を打つ長打力はないが、広角に打ち分ける打撃、身のこなしの良い遊撃守備に注目だ。
また同ブロックには強力打線がウリの大成も見逃せない存在で、夏へ向けてさらにパワーアップを遂げると、シード校を脅かす力を持ったチームといえるだろう。
[page_break:日大鶴ヶ丘・東大和南ブロック/昭和・国学院久我山ブロック]日大鶴ヶ丘・東大和南ブロック/昭和・国学院久我山ブロック江川尚輝（国学院久我山）
日大鶴ヶ丘はこの春、日大三と対戦して、逆転勝利して、ベスト4まで勝ち進んだ。5回まで2対3とリードを許すが、その後、我慢して守り抜いて、9回表に逆転に成功した。いかに我慢すれば、日大三に対抗できるか。戦い方を知っているチームである。エース秋山 翔（3年）を中心に守り勝つチーム。この夏も粘り強く勝ち進んでいく。同ブロックには昨秋、帝京を破った日大二は開幕戦から登場。2年生の強打者・八代 和樹（2年）を中心に打線が目立つ都立大泉も注目したい。
都立東大和南は春では創価を破った。打ち合いに持ち込んで、逃げ切るのがチームカラー。同ブロックには桐朋に注目。常時130キロ台の直球を投げ込み、延長になっても球速が落ちずにクオリティの高い投球を見せるエース・太田 力（3年）を中心に守り勝つチームだ。突出した力を持つチームはなく、団子状態のブロック。どこが勝ち進んでもおかしくないぐらい拮抗したブロックだろう。
春にベスト8まで勝ち進んだ都立昭和は技巧派左腕・山田 一貴、ゲームメイクが出来る池田 紘之の二枚看板に注目したい。中心に守り勝つのがチームカラーだが、長打力のある選手も揃い、攻守ともにバランスが取れた好チームだ。
またノーシードだが、春季本大会で強打の都立日野を破った駒大高はアンダースローの多崎 蒼司（3年）が面白い。浮き上がるようなストレートとシンカーのコンビネーションが嵌ると、相当打ち難く、攻略するのが難しい投手で、勢いに乗れば、台風の目となりそうな存在だ。
國學院久我山は江川 尚輝（3年）を中心として、打力ある選手が揃う。守りを固めて、上位進出を狙いたいチームだ。
都立片倉ブロックは強豪校が集まっており、このブロックは初戦からつぶし合いが続くが、全体としてみると、力が均一なので、ノーシードの学校が上位に進んでもおかしくないぐらい混戦した大会になりそうだ。
（文＝河嶋 宗一）
第96回西東京大会概要◆ 第96回西東京大会◆ 大会日程・結果ページ ◆ 組み合わせはこちら(東京都高野連HPより PDF変換)◆ 大会期間：7月5日〜7月28日 ◆ 参加校数:133校(128チーム)◆ 決勝球場：神宮球場◆ その他の球場：府中市民球場、八王子市民球場、昭島市民球場、多摩市一本杉球場市営立川球場、八王子市上柚木公園球場、町田市小野路球場
昨夏代表：日大三(第95回西東京大会結果)昨秋優勝：関東一 [東](秋季東京都 本大会結果)今春優勝：成立学園 [東](春季東京都 本大会結果) (春季関東大会結果)
