早起きは三文の徳! ディズニーホテル「ハッピー15エントリー」でTDRを満喫したい!
乳幼児の朝は早い。
時計を見る。5時。
すみません、お兄さん、まだ早いんですけど……と二度寝しかけたところに響き渡る息子の声。
「おーきーて!あさでちゅよ!!」
先に謝ってしまおう。筆者は朝が弱い。
以前はそれでも“宵っ張りの朝寝坊”だったのだが、加齢とともに“早寝遅起き”になりつつある。
これはいろんな意味でまずい。
■マイケルにお別れを
東京ディズニーランドのアトラクション「キャプテンEO」が2014年6月いっぱいで終了するという情報を目にした。
いつまでもあるアトラクションだと思って安心していたのだが、マイケル・ジャクソン好きの夫、そして、ダンス好きが高じてついに「マイケルになりたい」と言い出してしまった3歳児を連れて、見られるうちに行かねばならないのではないか。
オープン直後、私は小学生だったが、父の仕事仲間だった外国の方々と一緒に、シンデレラ城の前で撮った写真が残っている。今見ると、なんと例えたらいいのだろうか、面白い写真だ。まるで日本じゃないみたいに見える。
その後も友人家族と合同で行っては「スペース・マウンテン」に乗った。私はだいたいいつもこれに乗っていた。一度乗って、チュロスを食べてはまた乗った。
そして、祖母と一緒に見たのが「キャプテンEO」だった。
■そうだ、舞浜へ行こう。(20年ぶりに)
さて、わが家の3歳児には、ミッキーとミニー、そしてプーさんについてはすでに知識の中にあるようで、彼は尊敬の念をこめているのか、「ミッキーさん、ミニーさん、くまのプーさん」と、すべて“さん付け”で呼んでいる。
……きっと、本物を見たら喜んでくれるのではないだろうか。
だいぶご無沙汰ではあった舞浜。最後に行ったのは成人する前だったような気はするのだが、いい機会だし久々に行ってみようではないかと調べることにした。
幸い、近しい友人(いずれも乳幼児持ち)に年間パスポート所持者などリピーターが複数いたため、いろいろな情報を得ることができた。
■なぜ彼女たちは“前乗り”をするのか?というギモン
都内に住んでいるにもかかわらず、ディズニーホテルに宿泊して楽しんでいる人の話をよく聞く。ためしに自宅からのドアツードアで計測してみた。ちょうど1時間くらい。通勤時間と同じくらいだろうか。
しかし、子連れの場合は1.5倍で計算しないと時間が足りなくなる。
毎朝の通園を考えてもそうだ。大人の足で5分の距離を20分かかることすらあるというのに……。その差15分。朝の15分があったら何ができただろう?と毎度もやもやする。
朝ドラがまるっと見られる? ご飯をゆっくり食べられる? メイクを丁寧にできる?
ディズニーホテルには、宿泊者特典で一般開園の15分前に専用エントランスから優先的に入れるサービスがあるという。
●ハッピー15エントリー
http://www.dh-happy.jp
※4/14(月)から東京ディズニーシーでの利用も開始
これこそ「朝の15分」ではないか!
ちなみに、ディズニーホテルが公開するオリジナル動画では、母親目線のこんな「ウレシイ15分」が紹介されていた。
しかし、15分でアトラクションというのはどのくらい乗れるものなのか。
「空いてるから対象の乗り物にすぐ乗れるし、朝はパークの中で人に囲まれてない状態でいい写真撮れるよ!」
とは友人談。
どうやら、人が少ない分エントランスの花壇など「ベスポジ」で悠々と写真が撮れるので家族の記念や年賀状用に撮影していく人が多いらしい。確かに人がワサワサしていたら小さい子は何かを察して怖気づいたり泣いたりすることがあるかもしれないし、子どもを連れていると予想ができないトラブルがつきものだ。
なお、ハッピー15エントリーの利用については興味深い報告が発表されており、グループ、カップル、ファミリーを対象に、「ハッピー15エントリー」を利用する組と、一般入園時間組で行動調査を行ったところ、ファミリーにおいては午前中だけで、一般時間組がアトラクション4つに対して「ハッピー15エントリー」組が8つと、倍の数のアトラクションを楽しめたという。もちろん行くシーズンによって差はあるだろうが、これは子供が喜びそうだ。
ここで私は気づく。「TDRの開園時間は意外と早い」ということに。
……起きられるのか、私! 朝5時に起きて、朝食をとり、支度をして、6時には家を出て7時半に舞浜につくということができるのか?
……無理ッス! 確実に無理ッス!!
私はディズニーホテルの宿泊について調べることにした。
■産後の非日常空間って大切よね、ということ
さて、子連れの宿泊ということになると、実はそれぞれの実家以外に泊まったことがない我が家である。それはなぜかというと、設備が子ども向けに特化しているかどうかが気になってしまうからで、産後の思考回路はつねにこうなのだなと思い知った。
そこはディズニーホテルであれば完全にクリアしているようだ。
寝具の心配もないし、洗面所の踏み台も完備、子どものパジャマを忘れても大丈夫、アニメを見られるコーナーがあり、絵本も貸し出している。
子ども用メニューも低アレルゲンメニューもあるので、レストランで悩むこともなく、ぬり絵を用意してくれるお店も。紙おむつ・ベビーフードなどのベビー用品、ソフトドリンクやお菓子などを扱う売店は24時間営業のところもある。
また、パークや舞浜駅前の「ボン・ヴォヤージュ」で買ったお土産をホテルまで届けてくれるサービスもある。子連れにとって荷物が増えない、ということほど有り難いことはない。たくさん買っても、荷物を預けられるので身軽にパークを楽しめる。
思い返せば、平日は保育園と会社と家のトライアングル。休日は児童センターと公園と家のトライアングル、たまに近場のショッピングセンター。掛けることの52週。以下、その繰り返し……。
「お父さんもお母さんも、少しお休みしようよ!」
ああ、私の脳内でハイトーンな彼の声がささやいている。
僕らのクラブのリーダーよ、遊びに行ってもいいかな……?
■ファストパス勝者になろう!
「宿泊して15分早く入ったら、最初に行きたいアトラクションまで行って、開園時間とともにファストパスを取り、その後に他のアトラクションに並んで乗るのがおススメ」
これは本当にいろんな方から聞いた。
※「ハッピー15エントリー」で入ることのできるエリアは制限があるので事前によく調べておこう。
(ランドはワールドバザール、およびトゥモローランドの一部エリア、シーはメディテレーニアンハーバー、アメリカンウォーターフロントの一部エリア)
ちなみにファストパスというのは予約券のようなもので、指定時間に行くと専用入場口より優先的に案内され、通常の待ち時間よりも並ばずに乗れるという代物なのだが、開園時間からしか発行されないので、“お父さん・お母さん・子ども”という布陣で挑む場合には手分けして、子どもと母親は「ハッピー15エントリー」の対象アトラクション(ランドは「モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”」、シーは「トイ・ストーリー・マニア!」)に行き、子どもたちが乗っている間に父親が別のアトラクションのファストパスを取るためにスタンバイしておくのもアリだろう。
とにかく、ファストパスのシステムについてよく調べておく。それがコツかもしれない。
これを踏まえて3歳児(ちょっと怖がり)を連れて行ったらどうなるか、お昼までの行動パターンを素人なりにシミュレーションしてみた。
エントランスで写真撮影→(乗れたら)モンスターズ・インク→バズ・ライトイヤーのアストロブラスター→プーさんのハニーハントのFP取得→ミニーの家→(トゥーンパークで遊びたいっていうかも)→グーフィーのペイント&プレイハウス→トイレ休憩→プーさんのハニーハント乗車→キャッスルカルーセル→アリスのティーパーティー→イッツ・ア・スモール・ワールド→ミッキーのフィルハーマジック→空飛ぶダンボ→キャプテンEO(怖いって泣かれるかも)→昼休憩
……いかがだろうか。
もちろん、ぐずる・気に入って立ち止まって動かないアトラクションが出てくる・“大”をもよおす・寝る、などのトラブルは容易に想像がつくのだが、午後はゆったり、パレードまで場所取りをかねてふらふらするというのも、宿泊者ならではの余裕あるスケジュールということでいいのではないだろうか。
■裏ワザ的なサムシング
ちなみに、“一旦ホテルに戻る”こんな裏技も聞いたので紹介したい。
この“一旦部屋に戻ることができる”というのは、子連れには実は大きな利点ではないかと思うのだ。乳幼児ではお昼寝の習慣がついている子も多いと思われる。保育園児でそれが顕著だと思うのだが……寝た子は重い。
例えば初日、パーク内ではベビーカーレンタルも行っているが、もういっそのことホテルに帰って昼寝をしてしまおう。明日もあるさ、ゆっくり回ればいいではないか。
また、二日目に関しては「翌朝パークに行き、人気アトラクションに乗ってファストパスを取った後、ホテルに戻ってホテルのレストランでゆっくり朝食を取った。12時のチェックアウトまで客室でのんびりして、またパークに戻って一日を楽しんだ。」という上級者までいた。
■15分の貸切気分
子どもが一緒であるということを考えれば、
・急いで並びに行くことができない
・混んでいる場所にベビーカーで行くことの是非
・絶対に長時間並ぶのが待てない
これらを踏まえても「ハッピー15エントリー」は十分価値があるだろう。この特典があるから宿泊しているというリピーターもたくさんいるようだが、その理由がわかった気がする。
「人が少なくて優雅な気分!」
利用者からはそんな声も聞かれる。
マイケル・ジャクソンがかつてこよなく愛し、楽しんだこともあるという、東京ディズニーリゾート。朝の15分、そんな素敵な空間が味わえるのなら、ディズニーホテルへの宿泊込みでのTDR、というのもぜひ検討したい。
■ハッピー15エントリーの動画はこちら
ワシノ ミカ 1976年東京生まれ、都立北園高校出身。19歳の時にインディーズブランドを立ち上げ、以降フリーのデザイナーに。並行してWEBデザイナーとしてテレビ局等に勤務、2010年に長男を出産後は電子書籍サイトのデザイン業務を経て現在はWEBディレクター職。 |