©2014 真鍋昌平・小学館/BeeTV・映画「闇金ウシジマくん2」製作委員会
 今年1月末、タクシー「サービス向上」「安心利用」推進法、いわゆる“タクシー減車法”が施行された。2002年の規制緩和によって新規参入や増車が相次いだ結果、タクシー運転手の賃金が低下。過酷な長時間労働を強いられた運転手による事故が増加したとの見解が、導入の理由となる。

 全国に約37万人いると言われるタクシー運転手は平均年齢が高く、定年後に第2の職業として始める人も多い。乗客としてタクシーを利用すると、土地勘や運転技術、接客態度など様々なタクシー運転手に遭遇するが、昨年には著名人が酒に酔ってタクシー運転手に暴行を加えたり、料金不払いなどで逮捕された事件が相次ぐなど、乗客とのトラブルに苦しむタクシー運転手もまた多いのではないだろうか。

 現在dビデオで配信中のスペシャルドラマ『闇金ウシジマくん』では、元ホストで極度のナルシストかつ女好きのタクシー運転手・諸星をはじめ、様々なタクシー運転手たちの悲喜こもごもな人生が描かれる。物語の主人公・諸星(ロバート秋山)はある日、同僚に闇金からの借金は踏み倒しても罪にならないとそそのかされ、ウシジマが経営する闇金融「カウカウファイナンス」から借金。しかし、保証人の同僚が事逃げたため、その分の借金も背負わされて絶体絶命に。そんな中、別れた妻の同棲相手でヤクザの根杜(ねず )から残酷な提案が突きつけられるのだった…。

 『闇金ウシジマくん』は真鍋昌平の原作により、2004年から週刊ビッグコミックスピリッツで連載中、累計750万部を突破する大人気コミック。2010年秋に山田孝之の主演によりドラマ化され、2012年8月にはAKB48の大島優子をヒロインに迎えて映画化。そして、今年1月からは共演に綾野剛が加わりドラマ『闇金ウシジマくん Season2』が放送され、5月16日には映画『闇金ウシジマくん Part2』の公開を控えている。

 

 

 借金を重ねた結果、どこの金融機関からも貸してもらえなくなり、10日で5割(トゴ)・1日3割(ヒサン)という違法な金利を承知でカウカウファイナンスを訪れる債務者たち。その日暮らしで、ギャンブルや風俗など快楽に溺れる彼らの姿に同情はし難いが、一寸先は闇で、今の生活が未来永劫続く保証など無い。「お客様は神様だ」とエコーカードを振りかざす乗客などを反面教師に自らを戒めるべく、闇に光を当てる教育番組として全ての人が観るべき作品とも言えるだろう。



dビデオスペシャル『闇金ウシジマくん』