無視にダメ出し…精神的DV“モラルハラスメント”の対処法 | 恋愛ユニバーシティ

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あなたはモラハラ被害者?

パートナーにいつもダメ出しをされている方、劣等感を感じている方、彼との関係で精神的に参っている方、もしくは、前回の記事『意地悪だけど好き・・・周りに不評な彼氏とは別れるべき?』を読んで、「これって彼(夫)のこと?」と思った方は、モラハラの可能性とその対処法についてぜひ考えてみてください。恋愛コンサルタントの橘つぐみ先生に教えていただきました。

■モラハラの特徴
モラルハラスメント(以下モラハラ)とは、肉体的に相手を傷つけるDVと違い、精神的に相手を傷つけるDVです。あらゆる手段で「彼女が無能だから、俺が教育してやっている」という状況に持っていきます。カップルであればすれ違いは当たり前ですが、話し合う力が彼らにはあまりありません。そもそも、人を愛する能力がないのです。

大まかな流れをあげてみましょう。最初はとても優しく気のつく相手で、しかも社会的な条件が良かったりしますので、まずその部分に女性が惹きつけられます。あまり男性経験がない女性や、愛されて育ったために人を疑うことを知らない女性の心を掴むのは、彼らにとって簡単なことなのです。

彼らは彼女の心をつかんだ瞬間、豹変します。結婚、妊娠、出産時に変わることが多いです。何か気に入らないことがあると無視をする、ダメ出しが次々に増えるなど(それも、毎日違う条件であることが多い)。とにかく、相手を自分の劣等感を処理する道具として使うのが、モラハラの特徴です。

■様々な問題
一番問題なのは、あなたが「自分は被害者だ」という自覚を持てないことです。なぜなら、毎日のように「お前が悪いからこうなんだ」と言われていると、自分の感情がだんだんマヒしてきて、自分の感情がわからなくなるからです。これは「慣れ」とは違い、自分で自分の感情がわからなくなってしまっている状態。それは人間が持つ基本的な感情「喜・怒・哀・楽」を感じる部分が機能しなくなっている、ということです。

また、身近な人(親や友人)に相談しても、その人がモラハラについて正確な知識がないと、「あなたがもっと彼を立てればいいんじゃないの?」などと言われ、余計に傷つくこともあります。これを、セカンドアビューズ(二次被害)といいます。

結婚してしまった場合、簡単に離婚することができなかったり、「彼はそんなにひどいわけではない」と、自分に言い訳をしてしまうことがあるでしょう。未婚のカップルでも、長い付き合いであったり同棲していたりすると、簡単に別れることができないかもしれません。

また、お子さんがいる場合、離婚が本当に正しいことなのか、すぐに決めるのは難しいと思います(特に、ご主人が社会的に安定した仕事についている場合)。それから、このようなタイプの男性は世間体を気にしますから、あなたが準備もせず「別れ」や「離婚」を口にすると、いじめがひどくなる場合があります。

こういった方が辿るべきステップについて、次のCHECK!で解説します。

CHECK!モラハラ対処法!

1.彼は本当にモラハラなのか、様々な事例を探る
最近は、図書館に行けばモラハラの本が出ていますし、自治体のDV相談なども、無料で行ってくれます。カウンセリングや心療内科に行ってみるのも手です。

オススメの本は「家庭モラルハラスメント」(講談社α新書)「モラルハラスメントのすべて」(講談社)「離婚裁判」(講談社文庫)などです。

自治体のDV相談は「○○市 DV相談」と検索するか、区役所や出張所に行けば教えてくれます。相談したという履歴もDVの事実になりますから、万一離婚ということになった場合、より多くの慰謝料をもらえる可能性が上がります。

2.スタンスを変える
別れを決断するほどひどくない場合は、夫にとって役に立たない妻を演じるという方法があります。

・家事は、自分ができる範囲しかしない
・具合が悪ければ寝る
・要求があったら、夫にハッキリ具体的に伝える
・他の友達(モラ夫と縁がないタイプの友達)とも交流を深める

とにかく「夫が全て」の生活をやめること。モラハラが軽い場合は、妻がそうすることで、おさまる場合があります(モラ夫は、もともと自分の軸がないタイプなので)。

3.方向性を決める
既に結婚していて、夫が完全にモラハラだった場合「ここまでひどい状態になったら別れる」というデッドラインを決めた方がいいでしょう。基本的には次の2つ。

・子供の精神に悪影響(お子さんがいる場合)
誰かの顔色を伺いながら生きていくことは、将来的にアダルトチルドレンになる、思春期に悪い、お子さんにとっても生きづらい状態になるでしょう。学童期までは「自分の感情をきちんと伝えられる環境」は、とても大事で、それは家庭で行われるべきです。

特に男の子がいる場合、危険なのはモラハラの連鎖です。お父さんがお母さんをいじめている姿を日常的に見ていると「カップル(夫婦)はこういうものだ」という刷り込みが無意識に行われ、モラハラの連鎖が起きるからです。

・生活費が足りない
モラ夫は、生活費を最低限しか渡さないというケースがあります。これも、お子さんがいる場合は特に、結婚しているメリットがないと思います。自治体の母子手当などをチェックしてみましょう。場合によっては、夫から生活費をもらうより豊かに暮らせるということもあります。

まだ未婚のカップルの場合、結婚はしない方がいいでしょう。というより、未婚であるなら、あなたが彼にとって「完全に手に入った」わけではありませんので、そこまでひどいモラハラにならないケースもあります。

しかし、彼の実家でモラハラがなされている場合は、注意が必要です。いつの間にか、彼が自分の家と同じことをしてしまうことがあるかもしれないからです。

4.貯金をし、仕事を見つける
いざという時のために、貯金をしておくことも大切です。万一の時、何もお金がないよりは、50万でも100万でも、まとまったお金があった方が精神的にラクになるはず。その貯金は絶対に夫に知られないよう、通帳が発行されないタイプのネットバンキング口座がおすすめです。

専業主婦の方は、その地区の母子手当や生活保護がどのくらいなのか、仕事に復帰するとしたらどのような手段があるのかシュミレーションしておくのも大切です。

前回の記事、『意地悪だけど好き・・・周りに不評な彼氏とは別れるべき? 』もぜひ参考にしてください。

◇プロフィール橘つぐみ 恋愛コンサルタント
1979年東京生まれ。大妻女子大学文学部卒業。既婚、2児の母。中学〜大学まで、10年間女子校で過ごす。大学生になっても出会いナシ、彼氏ナシ。「このままでは、一生男性と付き合えない…」 と、彼氏を作る努力をした結果、誰でも男性に好かれる独自の恋愛メソッドを確立。 大学4年の頃には、数多くの恋愛相談を行なうようになる。 2004年「つぐみ恋愛相談所」を設立。 「男選びは人生選び」をモットーとしたカウンセリング、勉強会を開催。 著書に 『野性の勘で恋せよ乙女!』(講談社) 『最終彼氏の見つけ方』(大和出版) 『5秒で彼診断 恋のリトマス試験紙』(毎日新聞社・共著)がある。

橘つぐみ プロフィール:
http://u-rennai.jp/professors/detail/15/橘つぐみ/