以上より、運用次第ではかなりの成果も期待できるのが、反転授業という形態と捉えています。
なお、小学生、中学生、そして高校生や大学生…どのステージで導入すると(現在の授業より)効果があがるか、などの細部の議論になると、アクティブラーニングなどの別の要素も加味できるため、ここでは「武雄市の記事を見て、思ったことをつらつらと、全般的に」という立場で記事を書かせていただいていることを断っておきます。

もちろん、賛否両論はあると思いますし、僕自身も「導入するか否か」を問われると、「いつ」「どこで」「どのように」導入するか、慎重に考えると思います。

ただ
・懸念点が多い、だから反対だ
・これまでに身につけられなかった力が身につくことが期待できる、だから賛成だ
という二項対立になっても、好ましい結果が生まれないと思いますので、賛否のどちらにせよ
「懸念点を解決すれば、良い結果が期待できる。
だから、懸念点を解決できるかどうかが“(実施の)決断”のポイントであり
決断した以上は、懸念点を解決して行くことに軸足を移していこう」
という姿勢が、(反転授業に限らず)教育を巡る様々な論争には必要なんじゃないかな、と感じます。


追1)反転授業そのものについては、記事冒頭で取り上げた、田原真人さんの「反転授業の研究」が、実践も含められていて、僕の記事よりずっと詳しいですので、是非すべての記事をご覧になることをオススメ致します。
追2)盟友の塾長、中村五十一さんの塾での事例です。

※本記事は、(株)Z会勤務の筆者の個人的な見解です。