9月10日付のWSJ記事EdX, Google to Create New Online Education Siteによると、GoogleがMOOCsに本格参入とのことです。

以前書いたもう止まらない?アメリカ発、人材育成の「マッシブ化」とあわせてgoogleの意図を考察します。


上記記事を要約すると、


ハーバードとMITが主体となっているオンライン教育サービスEdXのホスティング(MOOC.org)をグーグルが提供 (2014前半にオープン)
従来のEdXにおいては、ハーバード、MIT、Calバークレー、スタンフォードに限定されていた講座の公開を、MOOC.orgでは他の大学にもオープンにする
これは、EdXのライバルであるCourseraが2013年5月に行った、そしてUdacityが2013年9月に行ったオープン化(Open Education Alliance)への対抗措置ではないか
Googleは、1年前からCourse Builderを提供してオンライン教育に手を染めていたが、その流れを本格化したのであろう


とのこと。


なお、言わずもがなではありますが、MOOCsは、Massive Online Open Coursesのことです。もう止まらない?アメリカ発、人材育成の「マッシブ化」


ちなみに、googleはOpen Education Allianceにも協力してますから、ある意味全方位外交。というか、本文中にも触れられていましたが、googleにとっての「本命」は教育のキュレーションではないかと想像します。


といのも、MOOCsにかぎらず動画・オープンな教育コンテンツが大量に出回るにつれ、ユーザーが「どれを見たらいいかわからない」と迷っているのではないかと思います。


この情報の整理は、googleのミッション<使命>、


世界中のすべての人があらゆる情報にアクセスできるよう手助けすることto organize the world's information and make it universally accessible and useful


と平仄は合いますしね。


もう一つの要因としては、実はMOOCs自体はそれほど社会的なインパクトはないのではないかという議論が出ていること。


MOOCs May Not Be So Disruptive After All(MOOCsは結局のところ、それほどディスラプティブじゃなかったのでは)


やや行政サイドに偏った記事にも読めて、これがどこまで米国全体の状況を反映しているかは分かりませんが、少なくとも一部ではこのような「アンチMOOCs」という意見も出てきているのは間違いありません。


となると、googleが新たな投資先としてMOOCsに本格参入するとは思えず、冒頭のWSJ記事も、キュレーションのための布石である、と個人的には読みました。