顧客経験価値あるいは、カスタマーエクスペリエンスという用語が最近頻繁に使われるようになった。総論は正しいが、「顧客価値」と「顧客経験価値」は何が違うのか?顧客満足度は「顧客価値」と「顧客経験価値」はどう違うのか? 「顧客経験価値の向上」と「企業収益の拡大」の因果関係は? そのような疑問を論理的に解説する。


■顧客経験価値/カスタマーエクスペリエンスのちまたでの定義


ネット検索により、顧客経験価値あるいはカスタマーエクスペリエンスを検索してみた。代表的な定義として以下のような結果が得られた。


?購入や使用過程における経験から得られる価値(分析系ITベンダー)


?製品・サービスを購買、利用する際の一連のプロセスにおける顧客の経験価値(データベースベンダー)


?商品・サービスの価値の中で、品質や機能といった直接的なものでなく、購入前や使用時に顧客が経験する気分や雰囲気、香りといった感覚的で付加的な価値のこと。(ITビジネス系雑誌の経営用語集)


?「顧客経験価値」とは「機能や性能という物理的な価値でなく、商品やサービスを購入または利用する過程(経験)で得られる「感情的な価値」(コンサルティング会社機関誌)


?カスタマーエキスペリエンスマネジメントとは「顧客と、製品や企業との関係全体を戦略的にマネジメントするプロセス」 米コロンビア大学ビジネススクール教授、バーンド・H・シュミット氏


上記から判断するに、商品やサービスそのものより、購入や使用時における価値が経験価値と定義しているようだ。しかしながら特に?、?は「経験」の有無による違いがいまいち明確でない。


?、?に関しては、「経験」の有無からくる価値の違いを表現していて分かり易い。


?はアバウト過ぎて、当たり前の感じを受けてしまう。


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