ニッチ戦略の本質は、無競争市場を創りだしブランドイメージをキープすることです。フェラーリはその点ではセオリーを徹底しているようだですが、ポルシェは好調なだけに今が正念場になります。


ニッチ市場とは、ある程度のニーズ(需要)はあるものの、その規模が小さいため、商品やサービスの供給・提供が行われていない、いわゆる隙間市場のことです。そして、ニッチ戦略とは小さな隙間でのNO.1シェアを目指すことであり、起業家が起業する際に選択するべき戦略の一つです。


しかし、本当のニッチ戦略とは競合を作らない無競争市場を創り上げることです。


自動車メーカーでいうとフェラーリーです。BMWを購入するような人は「メルセデスにしようか、LEXUSもいいな」とか考えるはずですが、フェラーリーを買う人は初めからフェラーリーしか考えていないはずで、他の車は端から考えていません。いわゆる無競争市場を創り上げているわけです。


そして、そのために重要なことは「売れるだけ売らない」ということです。売れそうになっても売らない、成長を目指さないことです。売れるからといってどんどん作って売り始めると、BMWあたりが参入してくる可能性があります。年間わずか数千台の市場を形成しているからこそ、大企業も参入してもしょうがないという合理的判断がはたらくのです。そして、その無競争市場を維持するために様々な戦術がちばらめられているということになります。


よく「差別化した製品でニッチ市場を狙え!!」とか言い、ちょっとヒットしたりすると大量に市場に投入して大手が参入してきてダメになるといった一発屋製品がありますが、この「無競争市場を創りだす」という基本を忘れてしまった例です。


しかしながら、この「売れそうになっても売らない」がなかなかできないものです。


続きはこちら