全日本柔道連盟の不祥事の真因は内向きで同質の組織体質である。それは多くの日本企業の課題でもある。


指導者の暴力問題、助成金の不正受給など一連の不祥事で、全日本柔道連盟の会長辞任問題が取り沙汰されている。ガバナンス欠如などの指摘はその通りであろうが、その「懲りない」対応の底流にあるのは、同連盟が内向きの論理と「体育会系」体質一辺倒に染まっているからではないかと思わざるを得ない。身内同士でかばい合う意識が強く、思い切った自己革新をできないのである。日本相撲協会でも以前、同様の不祥事や指摘が相次いだことを思い出す人も多いのではないか。


しかしこうした問題点やその主要因をよくよく考えてみると、過去に表面化した有名問題企業(オリンパス、雪印、大王製紙など)での不祥事とその際に問題視された組織体質とよく似ていることに気づく。いわく、「おかしいと分かっていても指摘できない」「疑問を差し挟めない」という「場の空気」が不正の積み重ねを助長し、問題の深刻化に鈍感になっていったという。


実は我々が出入りする日本企業でも似たような雰囲気を感じることは少なくない。さすがに我々コンサルタントの面前で露骨に表面化することは滅多にないが、そうした状況を間接的に耳にするケースはよくある。つまり先に挙げた問題企業は極端であるかも知れないが、例外ではないのである。


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