映画「県庁おもてなし課」が現在公開中だが、映画公開にあわせて高知県庁内に再現したロケセットには、1か月で既に1万人以上が来訪しているという。
そこで高知県では実際にどのような観光広報に取り組んでいるのか、高知県観光振興部観光政策課の鈴木康正氏に話を伺った。

【インタビュー企画・実施】
「広報スタートアップのススメ」編集部
(運営会社:合同会社VentunicatioN)
-----------------------------------

■全国に先駆けて人口減・高齢化が進行

昨今全国各地で人口減少が叫ばれているが、高知県ではさかのぼること約15年前、1990年から既に人口の自然減少が始まり、また老年人口の割合も他県と比較して10年ほど早く上昇に転じた。つまり何も手を打たなければ、県内の経済規模がどんどん小さくなり、産業基盤が弱体化していくことが避けられない状況にあった。

そこでこの状況を抜本から打破すべく、2008年に官民協働で進めるトータルプランとして「高知県産業振興計画」を策定。そしてその大きな方針として「地産外商」、つまり他県からの外貨獲得を掲げ、県内産業の立て直し・強化、そして観光振興を推進することになった。

そんななかNHK大河ドラマ「龍馬伝」(2010年)の放送が決定されたことを受け、この機会を最大限に活かすため、2010年に「土佐・龍馬であい博」を開催。その結果、産業振興計画を策定する以前の高知県への年間入込客数はおよそ310万人前後で推移してきたが、「龍馬伝」が放映された2010年には約436万人と過去最高を記録した。

これを受けて「龍馬伝」が終了した翌年2011年も、大河ドラマ放送の反動減を食い止めるために、引き続き“龍馬”を軸にした博覧会を開催することになったが、その一方で大河ドラマ終了後は「“龍馬”は昨年の話だから」とタイムリー性が正直欠けてしまう。
その点について鈴木氏は次のように語る。

続きはこちら