奥大介容疑者「サッカーが嫌いに…」と苦悩打ち明けていた

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サッカー日本代表がW杯5大会連続出場を決め、歓喜に湧いた2日後の6月6日。元サッカー日本代表の奥大介容疑者(37)が恐喝容疑で逮捕されるという信じられないニュースが飛び込んできた。奥容疑者は、妻で女優の佐伯日菜子(36)に電話し「今からお前を殺しに行く!」と脅迫。さらに、6年以上に渡って凄惨なDVを続けていたという。

94年にジュビロ磐田に入団した奥容疑者は、98年に日本代表に初選出。02年に横浜Fマリノスに移籍すると翌年からキャプテンとしてチームを牽引。年俸は1億円近くあったとも言われていた。だが、そんな彼に転機が訪れる。04年に日本代表を外されると、06年にはマリノスから戦力外通告を受けたのだ。このころからDV行為は日常化していたという。

07年に再起を誓い横浜FCへ移籍したが、シーズン終了後に引退。翌年から横浜FCのテクニカルアドバイザーや強化部長を歴任するなど裏方でチームを支えていた。だが今年1月末、体調不良を理由に突然の退団を決意。その後は地元・兵庫県尼崎市にあるお好み焼き店で働いていたという。いったい、何が彼を追い詰めていたのだろうか。16年の親交があったお好み焼き店の店主はこんなことを打ち明けてくれた。

「大介さんは『指導者の仕事は、自分には合わない。あんなに好きだったサッカーが嫌いになりそうだ……』と悩んでいたんです。強化部長になると“どの選手を戦力外にするか”を決めなければならない。でも大介さんは『戦力外を伝える際に選手の家族の顔が浮かぶんだ。辛くて仕方がない。俺は、人を裁く側にはいたくない』と言っていました。最後は精神的に参ってしまい、体調も崩していたようです」

横浜FCに移籍してでも現役にこだわったにもかかわらず、引退することになった奥容疑者。戦力外を伝える選手にかつての自身の姿を重ね合わせていたのだろうか。事件のきっかけは、6月3日に起きていたという。店主が続ける。

「大介さんは『嫁とケンカした』と言って、店も休んでいました。日菜子さんからも電話があったので、2人に『お互い冷静になって話し合って』と言いました。その後、大介さんが『大丈夫。もう心配せんといて』と言っていたので安心していたんです。そうしたら、その夜に逮捕のニュースが……。大介さんは『将来は、子供たちにサッカーを教えたい』と言っていましたが、今回の逮捕で夢は遠のいてしまった。そう思うと残念でなりません」

逮捕後、報道陣に囲まれ警察署へと入っていた奥容疑者。そのとき着ていたTシャツの肩には、絶頂期だった横浜マリノス時代の栄光の背番号14が描かれていた――。