月面基地を3Dプリンターで作る【サイエンスニュース】
コンピュータで制作した3Dモデルをそのまま出力できる「3Dプリンター」は、製造業を始めとした様々な分野で大きな話題を呼んでいる。フィギュアやアクセサリーなどの小物から、自動車のエンジン部品、さらには「Urbee2」のように車体全体を3Dプリンターで作ろうという試みもある。建築分野でも3Dプリンターは注目されており、「D-Shape」という製品が登場している。多くの3Dプリンターと同じく、D-Shapeはレイヤーを重ねながら造形する方式をおとっており、まずコンピュータで作った3DCGモデルが、5mm刻みのレイヤーに分割される。そして、D-Shapeから一層分の砂がシート状に敷かれ、必要な箇所に凝固剤が噴射され固められる。そして、また次の層が敷かれて、凝固剤が噴射され……というプロセスを繰り返し、最後に余分な砂を払えば、造形物が得られるというわけだ。
すでにレゴリスを模した月の模擬表土で1.5トンの壁は印刷されている。現在は、月の環境に近づけた真空チャンバーを使って3Dプリンターのテストが行われているという。
(文/山路達也)
記事提供:テレスコープマガジン