人材派遣会社のキャリアリンク(東京・新宿、近藤裕彦社長)は11月15日、東証マザーズ市場に上場する。人材サービス会社の上場は昨年12月、最年少の上場会社社長として話題となった求人サイト運営のリブセンス以来となる。

 キャリアリンクは1996年、消費者金融サービスのシンキの人材子会社として設立され、同社のコールセンターなどへ人材派遣事業を開始。05年に現在の筆頭株主であるVC(ベンチャーキャピタル)のスマートキャピタルが株式を取得した。

 07年9月には社会保険庁(現 日本年金機構)の年金記録台帳の調査業務を受託、BPO(Business Process Outsourcing)関連事業で業容を拡大させた。

 2012年2月期の業績は、売上高153億72百万円(前年同期比67.0%増)、営業利益6億円(同466.2%増)と大幅な増収増益を達成した。

 主力のBPO事業は、大型案件の年金記録台帳調査業務への人材派遣に加え、地方公共団体からの案件獲得が寄与し、売上高101億36百万円(同132.5%増)となった。

 もう一つの主要事業であるCRM(Customer Relationship Management)事業もスマートフォン関連や地上デジタル放送への切り替えに関するコンタクトセンターへの人材派遣が好調に推移し、売上高27億22百万円(同31.7%増)となっている。

 過去4年の売上高推移は、09年2月期に113.1億円(前期比31%増)と増加させたが、10年2月期は世界金融危機の影響を受け71.8億円と縮小。11年2月期においても同92.0億円と低迷したものの、12年2月期は需要が回復したことで153.7億円と再び急拡大。13年2月期第2四半期累計の業績も売上高92億31百万円、営業利益3億98百万円と堅調に推移している。

 従業員数は過去3年間で約100人増加して281人(9月30日現在)。

 同社は今年度をめどに終了する予定の受給者の年金記録台帳調査に続いて、被保険者の年金記録に係る台帳調査作業への人材派遣を計画している。また、今後、公務員業務の外部委託が加速すると予想し、BPO事業で新規受注獲得を目指す。

[人材採用・育成の人事専門誌「日本人材ニュースHRN」Vol.161(2012年10月24日発行)より転載] ※記事の内容は掲載時点のものです。

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