日本人材ニュースでは、国内の有力人材紹介会社100社を対象に人材紹介実績DI調査を実施している。今回の調査では、求人の増加によって再び人材不足の傾向が出始めていることが明らかになった。
※人材会社DI調査とは、人材会社の実績から景況感を判断する指標で、人材会社の経営者・事業責任者が業績を5段階で評価し、点数化した上で構成比(%)を乗じて算出している。DI50以上が上昇、50が横ばい、50以下が低下となる。

 主要人材会社の2012年7-9月期の対前期(4-6月)比実績DIは、69.4と引き続き高い水準を継続している。企業の人材需要が旺盛なためで、主要人材会社の実績も伸びている。

 業界別に前期4-6月期と比較すると、もっとも高成長を続けているのが「コンサルティング」(DI66.7)となった。次いで、「メディカル・薬品」(同65.0)、「IT・通信・インターネット」(同64.8)と続く。

 今回、特徴的だったのが、4位に入った「素材・エネルギー」(同62.0)である。50.0から、一気に12ポイント上昇している。東電福島第一原発事故以来、リチウムイオン電池、太陽光や風力発電、メタンハイドレートオイルなど新エネルギーが話題に上ることが多くなったが、エネルギーの転換をにらんだ中途採用が増加しているようだ。

 また、これまで低位に甘んじていた「建設・設備」(同61.8)も5位と順位を上げ、いよいよ復興需要が本格化しつつある状況が浮き彫りになっている。

 今回のDI調査では、分類13業界中8業界が60以上のDIとなり、多くの業界で企業の中途採用が積極化している実態が明らかになっている。前年同期11年7-9月実績と比較したDIも73.6と大幅に上向き、人材各社の実績が急回復しつつある状況を裏付けた。

 気になる2012年10-12月の見通しだが、こちらもDI70.3と高い数値となり、企業の求人需要の増加が見込まれるほか、人材各社の業績の高まりも期待できそうだ。

[人材採用・育成の人事専門誌「日本人材ニュースHRN」Vol.159(2012年10月5日発行)より転載] ※記事の内容は掲載時点のものです。

人材採用の過去、現在、未来〜即戦力時代の人材採用
グローバル事業拡大で即戦力人材は争奪戦に〜主要人材会社に聞く2012年採用動向
人材採用の専門誌が評価する「人材コンサルティング会社」

日本人材ニュースHRN」は人材採用・人材育成の人事専門誌です。