厚生労働省の2011年労働災害防止対策等重点調査によると、メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業所は43.6%で、5年前に比べて10.0ポイント上昇したことが分かった。

 メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業所の割合は事業所規模が大きくなるほど高く、300人以上の規模では90%を超えている。

 取組内容(複数回答)は、「労働者への教育研修・情報提供」(43.8%)、「管理監督者への教育研修・情報提供」(42.8%)、「社内のメンタルヘルスケア専用窓口の設置」(37.0%)が多い。

 メンタルヘルス不調を抱えた労働者を把握している事業所の割合は61.8%。把握方法(複数回答)は、「上司又は同僚労働者等の情報」(63.7%)が最多で、「定期健康診断の際の問診等」(26.2%)、「相談窓口の設置」(18.2%)と続いた。

 メンタルヘルス不調の労働者がいる事業所が考えているメンタルヘルス不調をきたした理由(複数回答)を見ると、「本人の性格の問題」(64.0%)が最も多く、次いで「家庭の問題」(35.2%)、「上司・部下のコミュニケーション不足」(30.6%)、「仕事量・負荷の増加」(29.7%)となっている。

 2011年10月までの過去1年間にメンタルヘルス不調で連続1カ月以上休業または退職した労働者がいる事業所の割合は9.0%で前年に比べて1.7ポイント増加した。

 また、2011年10月を対象に調べたところ、1カ月あたり100時間を超える時間外・休日労働をした労働者がいた事業所の割合は7.6%で、前年の調査に比べて1.6ポイント増加した。従業員数1000人以上の企業では4割以上となっている。

 調査は、常用労働者10人以上を雇用する9664事業所から回答を得た。

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