ロンドンのHMV FORUMにてバトルDJ世界一を決める「DMC WORLD FINAL」が9月28日に開催され、威蔵が世界一となった。

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 ロンドンのHMV FORUMにてバトルDJ世界一を決める「DMC WORLD FINAL」が9月28日に開催され、威蔵が世界一となった。

 DMCとはイギリス国営放送(BBC)元プロデューサー、トニー・プリンスが、「DJこそ明日の音楽の中枢を担うだろう」 という考えを元に、1983年ロンドンで設立。現在では、全世界40カ国以上に支部を持つ世界最大のDJ組織に成長。その国際的DJネットワークを活かした活動として認知されているのが、年に1度開催される「DMC WORLD DJ CHAMPIONSHIPS」である。

 この大会から世界的に活躍するDJ(DJ Cash Money・Roc Raida・Craze・KENTARO etc.)が多く輩出され、毎年6000人近い観衆を集める。その存在は世界中から注目を集め、DJバトルとして最も権威あるイベントと言われる。まさに「DJのWorld Cup」なのだ。

 今大会も世界中からWORLD CHAMPIONを目指す各国の代表がロンドンに集結した。PRECISION(USA)、SKILLZ(FRANCE)、RITCHIE RUFFTONE(UK)、ON LINEで勝ち上がったFONG FONG(FRANCE)などが今年の注目株ではあったが、圧倒的な存在感と前評判で会場一の期待を集めたのがDJ 威蔵である。

 残念ながら日本運営サイドの諸事情でJAPAN予選が開催されなかった為、今年は日本代表が存在しない。しかし威蔵は2011年大会の世界2位という事でRunner Up(昨年大会優勝者がディフェンディングを表明しない場合に次点者に与えられる出場権)の権利を獲得し、日本人代表として再びこの地に立つ事を実現したのだ。ここ数年の世界のDJシーンを牽引した日本が出場を絶やす事はあってはならないのだ。

 威蔵が世界を驚愕させた昨年の超絶ジャグリングとボディトリック、テキーラを飲み干し投げ捨てるというパフォーマンスはDMCファンの脳裏に鮮明に残っていただろう。しかし、威蔵はその想像を遥かに超えたパフォーマンスで会場中に衝撃を与えた。昨年より研ぎ澄まされスキルアップしたルーティンというのは勿論なのだが、6分間のDJプレイの中で会場中の人々の度肝を抜いただけでなく感動を創りだした。

 プレイ終了と同時に結果発表前だが新しいチャンピオンを歓迎する歓声が鳴り止む事は無かった。2005年世界3位・2011年世界2位だったDJ威蔵が遂に2012年、DMC WORLD CHAMPIONになったのである。大会時は日本時間では29日の早朝であったが、応援や賞賛の書き込みがTWITTERで止む事はなかった。検索トレンドでも1位になったのである。

 2012年、オリンピックが開催されたこの地ロンドンで、また一人の日本人が世界の頂点に立ったのである。(編集担当:武田雄樹)