ロンドン五輪のアスリート、進むのは芸能界か政界か
残酷なようだが、アスリートの寿命は長くはない。馬術競技で出場した法華津寛選手のように71歳にもなって活躍するのは例外中の例外で、多くは30代には引退。中には20代どころか10代で競技生活から離れる選手もいる。その後は後進の指導に当たる者もいれば、全く別の進路を選択する者もいる。
選択肢の一つが芸能界だ。アスリートから芸能界入りした人は多い。経験を活かして、スポーツキャスターやコメンテイターになる者もいれば、タレントとして活躍する人もいる。それどころか現役選手の内から、どこかの事務所に所属することもある。いずれにしてもアスリートとしての知名度を保ちつつルックスや運動能力を生かすことになるだろう。今大会の選手では、体操の田中理恵選手や、水泳の寺川綾選手、鈴木聡美選手、陸上ハードルの木村文子選手らの名前が挙がっている。
しかし、すんなりと芸能界への転向が成功するわけではない。「めっちゃ悔しぃー」「金がいいですー」のセリフが流行語にもなった2000年、シドニーオリンピックの400メートル個人メドレー銀メダリストの田島寧子選手を覚えているだろうか。現役を引退後、芸能界に進んだものの、さしたる実績の無いままに、芸能界から去っている。
もう一つありそうな進路が政界だろう。民主党政権になって約3年。柔道の谷亮子選手が出馬、当選した折には大きなニュースになったが、それ以前にもサッカーの釜本邦茂選手、スピードスケートの橋本聖子選手、スキーノルディック複合の荻原健司選手らのオリンピックメダリストがいる。しかしどちらかと言えば、選挙対策の客寄せパンダ的な印象が強く、政治家として活躍しているとは言いがたい。
アスリートとして活躍したのであれば知名度を獲得するのは当然だ。そしてそれを生かす道に進むのも良いだろう。しかし毎年春になれば桜が咲くように、スポーツ界でも芸能界でも政界でも、新人が入ってくる。自分達がルーキーであるうちは注目されるものの、次のルーキーが来れば注目はそちらに移りがちだ。長く生き延びていけるかどうかは、結局本人の努力にかかっているのだろう。
