「けいおん!」は社会現象なのか? アニメ誌以外でもあらゆる雑誌の表紙が「けいおん!」になって、本屋でびっくり! さまざまなアプローチで描かれている「けいおん!」を見てみよう

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12月3日って何の日か知ってる?
それはね、「けいおん!」映画版の公開日だよ!
ヤッター!
おなじみ恒例ローソンでもフェアが22日から始まりますし、あちらもこちらも「けいおん!」といった具合で盛り上がりはじめています。
で、一番盛り上がっているのは書店です。
アニメ誌の表紙が「けいおん!」でいっぱいなのはまだ分かるんですよ。
でもおどろくべきことに、普段アニメ表紙じゃない雑誌がこぞって「けいおん!」だからびっくりですよ。書店をうろつくたびに「けいおん!」に出くわすという怪現象です。
とはいえ、単に猫も杓子もけいおん、ってわけじゃなく、それぞれの雑誌のカラーがよく出ていて面白いものが多かったので、その中から少しご紹介します。

●日経 エンタテインメント ! 2011年 12月号
まさか日経で「けいおん!」が表紙になるとはなあ……びっくりですが、中身を読んでみるとなるほど納得な流れ。
この号、「けいおん!」の面白さではなくて「けいおん!」を含むアニメの経済効果について語っているんです。
「12月の映画公開でブーム再来が予想されるその人気の秘密を、改めて徹底検証する」と公式サイトで書かれていますが、まさにそのとおりの内容。
どこが人を引き寄せる要素なのか? なぜ売れたのか? どのように商品展開しているのか?
それらをグッズ、音楽的要素、脚本、声優インタビューなどから分析しているのが非常にユニークです。実際に高校生の中にはネタではなく「けいおん!」曲を文化祭で演奏する軽音楽部がある、という事実や「けいおん!」人気にあやかった(と本文で書いてありました)大手スポンサーなども明記。具体的に書かれていて興味深いです。
さすがにグッズ類は何がどのくらい売れた、という数値は載っていませんが、CDの枚数は1枚単位で載ってます。例えば一期のオープニング「Cagayake!GIRLS」は15万458枚(オリコン10月時点調べ)など。改めて観るとこれをOP・ED、一期二期と継続しているのはすごいですね……。
また、以前カセットつきのCDが発売されたこともあるのですが、その時の裏話なども。キャラ人気だけではなく、やっぱり結構変わったことや凝ったことしてるんですよ。そりゃ話題にもなるわけです。
他にもEXILIMのカメラ、ロッテリアの放課後ティータイムセット、萌えみのりのお米、ルミネのイベント、ラッピング電車など、様々なグッズ展開も網羅しています。
他にも、いわゆる「クールジャパン」としてのアニメ、ゲーム、ラノベなどの経済効果について語っているあたりさすが日経。アニメの制作費まで載ってます。「けいおん!」好き以外でもオススメできる一冊です。
 
●spoon. (スプーン) 2011年 12月号
表紙で確認もせずに買いました。かわいすぎて。
でも冷静に見たら「spoon.」でした。あれっ、ぼくの知ってる「spoon.」と違う!? 森ガール的な本じゃなかったっけ。「さよならポニーテール」を特集としてトップに持ってくるんじゃないの?!
と思ったら、中身は上手いバランスで「spoon.」してました。
ようするに「アニメとはなんぞや」じゃないんですよ。「『けいおん!』って作品の女の子たちはふんわりとかわいいよね」という特集なんです。
わかりやすい所では、「けいおん!」の放課後ティータイムが食べていたケーキを想定して、実際に売っているものから選んでみる、という特集を組んでいます。値段やお店なども書かれていて、リアルとファンタジーがいい具合にミックスされています。
アニメのカットもいっぱい載っているのですが、同時に「楽しい高校生時代の少女」をモチーフにした写真もふんだんに載っているんです。この感覚、現実でもアニメでもない2.5次元。
アリススタイルの放課後ティータイムを描いた表紙、実は撮影処理をかけた人は蒼井優のファン、というあたりで雰囲気わかっていただけるでしょうか。女子でもキュンとくる「けいおん!」のポイントを徹底的に堀り探った特集になっています。
他にも「本気で観る! 女子アニメカタログ50」と大々的にページをとって、「魔法少女まどか☆マギカ」「夏目友人帳」「青の祓魔師」「とらドラ!」など、通好みから普段アニメ見ない層までカバーした特集も。非常に面白いです。
しかし、読んでいて「女子」って言葉乱舞していると自分も女子力高くなった気分になりました。

●アニメージュ 2011年 12月号
アニメ誌からもひとつ。さすがというか充実度満点。
こちらはやはりあくまでも「けいおん!」というアニメが好きな人に向けての情報発信です。作品から逆に、今回の映画の舞台になるロンドンの話を広げたりしています。映画情報が欲しい人はこちらをオススメ。
インタビューは、脚本の吉田玲子と、音楽プロデューサ、そして声優の豊崎愛生(平沢唯役)と日笠陽子(秋山澪役)。……声優さんインタビューどの雑誌にも載ってる気がするんですが……すごいですね。
改めて記事の中身をみても、本文レイアウトをみても、「けいおん!」と海外の組み合わせだとイギリスってベストなんですね。なんせ「放課後ティータイム」ときたら紅茶、紅茶ときたらイギリスなわけで。あとは青赤白のユニオンジャックカラーが似合いすぎます。それにロックときたらロンドンなわけで……彼女らのロックは「ゆるふわロック」ですが。
アニメージュは付録が豪華。描きおろしクリアファイル5枚セットと気合入っています。ローソンのフェアでもクリアファイル争奪戦が行われたくらいなのに太っ腹!
グッズが他にも欲しい人は電撃G's magazine 2011年 12月号もオススメ。レジャーシートと両面ポスターつきです。アニメディア 2011年 12月号はとラベルクリアファイルとトラベルパスカード付き。旅行映画なのでぴったりです。
 
他にも山ほど「けいおん!」づくし。FLIX plus vol.8 2011年12月号増刊では音楽側からのアプローチとして「けいおん!」を取り上げていますし、SCREEN+ vol.29 表紙・巻頭特集「けいおん!」ではアニメ「映画」として「けいおん!」と日常系アニメ全般を扱っています。あっ、これにもクリアファイル付いてました。
個人的に興味があるのは、まだ今日発売のFinancial JAPAN 2012年 01月号。テーマは「いま社会が求める、理想でリアルな『日常』」となっています。リアルとファンタジーの境目としての「けいおん!」をどう受け止めるのかは、「spoon.」と比較してみると面白いそうです。

こんなにたくさんの角度からアプローチできるものなのね……。「けいおん!」恐るべし。
ぼくは今から何回映画を見に行くか計画中です。まずは3回かな……。
(たまごまご)