一向に収束する兆しが見えないタイの洪水被害。日系企業が数多く進出している中部アユタヤ県のロジャナ工業団地などでは、工場の操業停止から1ヶ月以上経過する今も水が引かない。生産再開の目処が立たない状況が続き、進出企業数が多い自動車や電機関連業界への影響が懸念される。年内再開が厳しい見通しで、代替生産の方法を模索する動きが広がっている。

既に製品の供給不足による価格の高騰が始まっているのがPCパーツとして知られるハードディスク(HDD)だ。価格.com のランキングで1番人気の Western Digital 製「WD20EARX」(2TB)の最安値は11月6日現在15,936円で前週比+5,956円。10月18日時点では5,240円だったので、3週間弱で実に3倍以上に跳ね上がっている。

今、家電量販店に出かけると各フロアで「極力早めの購入」を勧められる。現在の在庫がなくなると、タイからの部品供給が再開するまで各メーカーで生産が遅れ、年内に購入しても納品が来年の2月頃になってしまう可能性が高いという。例年これから盛り上がりを見せる年末商戦が大ピンチだ。どうしても必要な商品は在庫があるうちに確保したいが、震災直後のようなパニックにならないように心がけたいものだ。

タイ洪水被害でパソコン、デジタルカメラ生産に影響


(牧田 亜紀子)

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