第24回東京国際映画祭作品ガイド<アジアの風部門>
『あの頃、君を追いかけた』
【作品解説】
人気作家、九把刀(ギデンズ)の自伝的小説を作家自身が監督して映画化。1990年代、台湾中西部の彰化を舞台に、男女7人の高校生が繰り広げる甘く切ない青春ラブストーリー。台北映画祭2011観客賞受賞作。
【あらすじ】
コートンにはシェンに熱をあげている親しい友人が何人かいる。コートンの友人たちは彼女を追って、チンチェンの中学から高等部に直接進んで一緒に行動する。もともとやんちゃなコートンはホームルームの教師に優等生のシェンのすぐ前に座るよう命じられる。シェンに彼を見張らせるためだ。ふたりは当初ぎこちなかったが、コートンは次第にシェンのことが好きになる。彼女はいつも彼に一所懸命勉強するようプレッシャーをかけていた。一方、シェンはコートンが示す対照的な価値観に好感を抱くようになる。やがてコートンはシェンを追いかけ始めるが、彼女はためらう。
『運命の死化粧師』
【作品解説】
若い死化粧師ミンシューの仕事場に運ばれてきた死体は高校時代の恩師の音楽教師だった。不審に思った彼女は真相を追うが…。リェン監督は『海角七号/君想う、国境の南』の助監督を経て本作で長編デビューを果たした。
【あらすじ】
ミンシュウは死化粧師。日々物言わぬ遺体と向き合っている。ミンシュウにとって仕事柄、死は日常の一部となっていたが、ある日霊安室で女性の遺体を偶然目にしたことから、彼女に変化が生まれる。その遺体は彼女の高校時代の教師チェン・ティンだったのだ。そして彼女は死について全く新しい意味を見出すことになる。
『TATSUMI』
【作品解説】
“劇画の父”辰巳ヨシヒロの自伝的な諸作をシンガポール映画の旗手エリック・クーがアニメーション化した話題作。哀愁に満ちた庶民の姿から戦後日本が浮かび上がる。別所哲也が声優として6役を演じ分けている。カンヌ11ある視点部門出品作。
【あらすじ】
戦後占領下の日本。若い辰巳の漫画への情熱はついに彼の貧しい家族を支える手段にまでなる。10代ですでに作品が出版されていた辰巳だが、崇拝していた手塚治虫と実際に出会ったことから、さらに創作意欲を触発される。順調な成功の裏で、辰巳は日本の漫画が、なぜ可愛くおもしろおかしいストーリーと描写で子供におもねるのかに疑問を感じ始める。1957年、辰巳は「劇画」(ドラマチックな画)という新しい言葉を生み出し、大人向けの別ジャンルを広めることで従来の漫画を再定義する。辰巳の作品は人生のよりシリアスな部分を捉え始める…。
『鏡は嘘をつかない』
【作品解説】
12歳の少女パキスの宝物は父の形見の鏡。彼女は鏡が世界の真実をうつし出すと信じている…。美しい海辺の村で展開するファンタジーに満ちた一篇。日本の「3.11」の映像も挿入される。監督はガリン・ヌグロホ監督(『枕の上の葉』)の長女。
【あらすじ】
パキス(12歳)の父親は海釣りに出かけたまま行方不明となる。再会できると信じるパキスの唯一の希望は父親からもらった鏡だ。行方不明となった人々を探すバジョの儀式では鏡と水を使う。そこで彼女は決して鏡に現れない父親の像をじっと待ち続ける。母親のタユン(32歳)は、自分たちが暮らす小さな漁村にやってきた調査員と、行方不明の夫への思いとの間で苦悩する。
『カリファーの決断』
【作品解説】
美容院で働く23歳のカリファーは、中東の石油や宝石を商うセールスマンと結婚するが、厳格なムスリムで様々な規則を課す夫との溝が深まっていく…。女性の自立を淡々と見据えたインドネシアの話題作。
【あらすじ】
23歳のカリファーは、33歳の優秀なセールスマン、ラシッドとお見合い結婚をした。家族の経済的苦境を救うためだ。流産しかけた彼女に、それは顔も含めて全身を覆うという規律を守りなさいという神の忠告だと主張する夫。この言葉に彼女は夫が筋金入りのイスラム教信者であることを知る。ヴェールをまとう生活を始めた彼女だったが、周囲の態度が豹変するのを感じる。最終的に彼女は、家族の真の“リーダー”は自分であることを示す決意を固める。
『飼育』
【作品解説】
「飼育」の最初の映画化作品。太平洋戦争末期の日本の山村が舞台。
【あらすじ】
昭和20年の初夏。東京郊外にある山村にアメリカ軍の飛行機が墜落した。村人たちの山狩りで猟の罠にかかった黒人兵が捕まり、村に連れてこられる。地主の蔵に閉じ込め、輪番制で飼うことになったが…。
【作品解説】
人気作家、九把刀(ギデンズ)の自伝的小説を作家自身が監督して映画化。1990年代、台湾中西部の彰化を舞台に、男女7人の高校生が繰り広げる甘く切ない青春ラブストーリー。台北映画祭2011観客賞受賞作。
【あらすじ】
コートンにはシェンに熱をあげている親しい友人が何人かいる。コートンの友人たちは彼女を追って、チンチェンの中学から高等部に直接進んで一緒に行動する。もともとやんちゃなコートンはホームルームの教師に優等生のシェンのすぐ前に座るよう命じられる。シェンに彼を見張らせるためだ。ふたりは当初ぎこちなかったが、コートンは次第にシェンのことが好きになる。彼女はいつも彼に一所懸命勉強するようプレッシャーをかけていた。一方、シェンはコートンが示す対照的な価値観に好感を抱くようになる。やがてコートンはシェンを追いかけ始めるが、彼女はためらう。
【作品解説】
若い死化粧師ミンシューの仕事場に運ばれてきた死体は高校時代の恩師の音楽教師だった。不審に思った彼女は真相を追うが…。リェン監督は『海角七号/君想う、国境の南』の助監督を経て本作で長編デビューを果たした。
【あらすじ】
ミンシュウは死化粧師。日々物言わぬ遺体と向き合っている。ミンシュウにとって仕事柄、死は日常の一部となっていたが、ある日霊安室で女性の遺体を偶然目にしたことから、彼女に変化が生まれる。その遺体は彼女の高校時代の教師チェン・ティンだったのだ。そして彼女は死について全く新しい意味を見出すことになる。
『TATSUMI』
【作品解説】
“劇画の父”辰巳ヨシヒロの自伝的な諸作をシンガポール映画の旗手エリック・クーがアニメーション化した話題作。哀愁に満ちた庶民の姿から戦後日本が浮かび上がる。別所哲也が声優として6役を演じ分けている。カンヌ11ある視点部門出品作。
【あらすじ】
戦後占領下の日本。若い辰巳の漫画への情熱はついに彼の貧しい家族を支える手段にまでなる。10代ですでに作品が出版されていた辰巳だが、崇拝していた手塚治虫と実際に出会ったことから、さらに創作意欲を触発される。順調な成功の裏で、辰巳は日本の漫画が、なぜ可愛くおもしろおかしいストーリーと描写で子供におもねるのかに疑問を感じ始める。1957年、辰巳は「劇画」(ドラマチックな画)という新しい言葉を生み出し、大人向けの別ジャンルを広めることで従来の漫画を再定義する。辰巳の作品は人生のよりシリアスな部分を捉え始める…。
『鏡は嘘をつかない』
【作品解説】
12歳の少女パキスの宝物は父の形見の鏡。彼女は鏡が世界の真実をうつし出すと信じている…。美しい海辺の村で展開するファンタジーに満ちた一篇。日本の「3.11」の映像も挿入される。監督はガリン・ヌグロホ監督(『枕の上の葉』)の長女。
【あらすじ】
パキス(12歳)の父親は海釣りに出かけたまま行方不明となる。再会できると信じるパキスの唯一の希望は父親からもらった鏡だ。行方不明となった人々を探すバジョの儀式では鏡と水を使う。そこで彼女は決して鏡に現れない父親の像をじっと待ち続ける。母親のタユン(32歳)は、自分たちが暮らす小さな漁村にやってきた調査員と、行方不明の夫への思いとの間で苦悩する。
『カリファーの決断』
【作品解説】
美容院で働く23歳のカリファーは、中東の石油や宝石を商うセールスマンと結婚するが、厳格なムスリムで様々な規則を課す夫との溝が深まっていく…。女性の自立を淡々と見据えたインドネシアの話題作。
【あらすじ】
23歳のカリファーは、33歳の優秀なセールスマン、ラシッドとお見合い結婚をした。家族の経済的苦境を救うためだ。流産しかけた彼女に、それは顔も含めて全身を覆うという規律を守りなさいという神の忠告だと主張する夫。この言葉に彼女は夫が筋金入りのイスラム教信者であることを知る。ヴェールをまとう生活を始めた彼女だったが、周囲の態度が豹変するのを感じる。最終的に彼女は、家族の真の“リーダー”は自分であることを示す決意を固める。
『飼育』
【作品解説】
「飼育」の最初の映画化作品。太平洋戦争末期の日本の山村が舞台。
【あらすじ】
昭和20年の初夏。東京郊外にある山村にアメリカ軍の飛行機が墜落した。村人たちの山狩りで猟の罠にかかった黒人兵が捕まり、村に連れてこられる。地主の蔵に閉じ込め、輪番制で飼うことになったが…。