試合終了間際には、右の長谷部からのパスを、李がPA付近の左のゾーンでフリーで受け、決定的なシュートを放つなど、攻撃面では明らかに良くなったのですが、その反面として守備が悪くなった、サイドを使ったカウンター攻撃で何度もピンチを作ってしまった、さて、そこをどうするのか? という事で前半は終了しました。右に下がったはずの長谷部の位置がまだ高かった、という事もありましたね。

と言う事で後半ですが、やはり「4−1−2−3」という形では、守備面で良くない、という事で、阿部に代えて清武を入れ、その清武を右、岡崎を左、香川を中央、という配置の「4−2−3−1」へ戻してきました。これによって香川がダブルボランチの前で1人でも起点を作る事が出来るようになったので、ダブルボランチが2枚共に中盤の底に残ったままでもスムーズな攻撃が行えるようになり、ビルドアップがスムーズになる、バイタルエリアでの守備が安定する、という事になりました。

前半も最初は阿部と遠藤のダブルボランチという形でしたが、長谷部が高い位置を取りすぎていたので前後分断が起きてしまい、その合間を埋める為に遠藤が高い位置を取っていたので、つまり、阿部と遠藤のダブルボランチが縦関係になってしまい、阿部の1ボランチ的な「4−1−3−2」のような形となってしまっていたので、少しバイタルエリアのところの守備が薄くなってしまっていました。

そして、これで日本も攻守に安定しましたから、ここからは一進一退の攻防戦となった訳ですが、特にその攻防のポイントとなっていたのはサイドでした。中央を制してサイドに展開し、SBを積極的に攻撃参加させた攻撃で得点を狙う日本。特に清武と内田の右サイドからですね。1点ビハインドの状況でしたから、ある程度のリスクを背負っての攻撃となるのは仕方のないところだったと思います。

一方、ウズベキスタンは、前半からもそうでしたが、後半8分にはスピードのあるトゥルスノフを右サイドに入れて、徹底的にサイドから攻撃を仕掛けてきます。どちらがサイドでの攻防を制して次の得点を奪うのか、という戦いになっていました。そして、ここから高いパフォーマンスを見せたのが、右SBの内田とGKの川島でした。内田は、攻撃参加したと思えば、戻ってきて1対1で競り勝ってピンチを防いだり、決定的なシュートをブロックしたり、攻守にギアアップしてきました。

そして、後半20分には、遠藤→長谷部→内田、とパスが展開され、その内田のクロスボールに岡崎が飛び込みダイビングへッド。これが見事に決まって、日本が同点に追い付きました。前半からクロスボールによる攻撃で決定的なチャンスは作れており、後は決めるだけ、という感じだったのですが、やっと決まったか、という感じでした。前半の同じようなチャンスで李が決めていれば・・・、というのはやはりあったかなと思います。

さて、これでどうにか同点に追い付けた日本ですが、この得点直後には李に代えてハーフナー・マイクを投入し、逆転ゴールを狙います。そのハーフナー・マイクを起点に使い、岡崎や香川が相手のDFラインの裏へ走り込んでチャンスを作り出します。しかし、ウズベキスタンも攻撃力の高いチームですから、少し前掛りになっている日本の守備を崩して決定的なチャンスを作り出します。しかし、ここで高いパフォーマンスを見せて日本を救ったのがGKの川島で、同点ゴールの前にも1つありましたが、決定的な1対1で相手のシュートを防ぎ、ウズベキスタンに2点目を与えませんでした。

と言う事でこの後は、内田のロングフィード一発からハーフナー・マイクがチャンスを作ったり、香川が右サイドからセンタリングと見せかけた意表を突くシュートを放ったり、清武のクロスからハーフナー・マイクがヘディングシュートを放ったり、一方、ウズベキスタンは相変わらずサイドから攻めてチャンスを作ったりしましたが、日本は駒野に代えて槙野、ウズベキスタンはカルペンコに代えてイスマイロフ、という、SBを交代させる守備的な采配を両チーム共に行うなどして、結局試合は、スコア「1−1」の引き分け、という結果で終わりました。

とりあえずこの試合で日本が苦しめられていたのは、なでしこも同じ事で苦しんでいますが、システム的な事は別として、やはりピッチコンディションですよね。デコボコしていて、芝がしっかり根付いていないので滑りやすい。相手も同じ条件だとは言っても、相手はこのピッチコンディションでプレーする事に慣れていると思いますから、やはり日本にとっては大きなハンデだったなと思いますね。

そしてもう1つには、やはり日程的な問題で、移動で不利があった日本の選手たちの動きが総じて鈍かった、という事も大きかったかなと思います。ピッチと日本選手のコンディションの悪さによって、あっさり抜かれてしまう、入れ違わられてしまう、というシーンが目立ち、これはかなり厳しかったなと思いますが、それでも1失点で凌ぎ切りましたし、アウェイの試合で勝点1を取る事が出来ましたから、個人的には、この試合は及第点の結果だったのではないかなと思っています。