“ザ・ロック様”の怒りの復讐祭開催！ この夏、最高級のデート・ムービーの一本です！

生き馬の目をくり抜いて仕事を獲る競争社会のハリウッドでは、実に多種多様な経路を通過して俳優になる者が少なくない。成功を夢見て演技学校へ通い、オーディションを受けて映画に出る王道のみならず、他業界で大成功を収め、その人気と知名度をフル活用！　鳴り物入りでスクリーンに登場するパターンだって日常茶飯事だ。レスラーからアクターへの転身を図る猛者どもも例外ではなく、その最大の勝ち組が、“ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソンだ。ロック様は、レスラー俳優軍団の希望の星として頂点に君臨している。

2001年の大ヒット作『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』以降、映画俳優として確固たる地位を築いたロック様の最新作『ファースター　怒りの銃弾』が公開に！　まず、共演がビリー・ボブ・ソーントンという1点のみの事実で、映画ファンなら観ない理由を探すほうが難しいが、本作はロック様演じる主人公“ドライバー”が哀しみの復讐鬼を演じる超骨太なベンジェンス（復讐）・ムービーだ。ある事件が元で兄と自分の人生を奪われた主人公が10年間の刑期を終えた後、ターゲットを順番に殺していくというシンプルなストーリー。ロック様が主演を張るため、プロレスチックなガテン系アクションが炸裂……という予想は甘い！

10年間、復讐心だけを鍛え上げ、感情や恐怖心の完全なる欠如を成し遂げた男は、ただひたすらターゲットに近づいて確実に仕留めることを遂行するのみ！

防犯カメラに顔が映ろうが、目撃者が無数にいようが、真正面から銃撃されようが、とにかくお構いナシ！　手に握ったリボルバーから怒りの銃弾が放たれ、それがすべての対象者に命中するまで無表情なロック様は人間ターミネーターのごとき制裁者として死の爆走を続けるのだ！

完膚なきまでに男の世界が繰り広げられていく本作には、映画を彩る女優陣も健闘を見せるが、アレ!?　と立ち止まって見とれてしまうほど、フツー（むしろ、ちょっと残念）な感じの装いが特徴的だ。美女はべらし系キャリア転身組のドン、スティーヴン・セガール御大の映画とは違い、むやみに美人が出演というワケではないのだ。よく考えると、これまでにもロック様の映画に登場する競演女優を観ていて、アレ!?　と立ち止まったことは数知れずで、ラウンド＆リングガールのほうがキレイじゃね？と思ったこともしばしば。

しかし、孤独な男の復讐劇に、引き立てるだけの美女など本来は無用なのだ！　平々凡々な女優たちを配置することでリアリティーを増幅させ、主人公の元カノに「皆殺しを祈っているわ！」などと物騒なセリフを言わすことで、その後のデスレースへの期待を煽りまくる！　さすが俺たちのロック様！　美女を出せば、観客の感情がブレちまうと英断を下したか、紅一点が日本でもマニア人気爆発中の美熟女ことカーラ・グギーノのご出勤という本気汁全開のコンセプトで、復讐劇に命を賭けているのだ。

そう、『ファースター 怒りの銃弾』は、苦しみ抜いた男の壮絶な復讐のドラマであり、人生に真正面から向き合うことになった合計3人の男たちの人生のドラマなのだ。1人の男が復讐を果たすためアクセル全開でマシンを駆る時、同時に人生を狂わされる2人の男たちのドラマも走り出す！　寡黙で孤独、非情な復讐者の死のドラマに、感情に余計な影響をきたす要素は要らねえ！　ハリウッド転身組最大の成功者ロック様が、ブ女を引き連れて開催する初夏の大復讐祭り！　男なら、「皆殺しを祈っているわ！」と痛みを共有できるような女と人生を送りたい、逆に添い遂げたいと、誰もが思うに違いない超骨太痛快作だ。

映画『ファースター 怒りの銃弾』は、2011年5月21日（土）より、シネマスクエアとうきゅうほか全国“超怒級”ロードショー。この夏、最高級のデート・ムービーの一本です！