アラブの嵐【テレンス・リーのニュースを斬る!】

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 1973年10月に勃発した第4次中東戦争の敗北でエジプトはイスラエルと平和条約を締結した。周辺のアラブ同盟諸国からすればこれは重大な裏切り行為であり、結果的に平和条約を締結したアンワル・サダト大統領が暗殺されたのだ。実行犯はエジプト軍内部のイスラム原理主義グループだったが、影で糸を引いていたのはリビア元首ムアンマル・カダフィだといわれている。
 その後、第5次中東戦争が起きなかったのは、エジプトがアラブ諸国最強の軍隊を有しており、エジプトの参戦がなければ、とてもイスラエルに太刀打ちできないからである。
すなわちエジプトが中東地域の微妙なパワーバランスを保ってきたのだ。イスラエルとの平和条約を守ってきたホスニ・ムバラク政権が崩壊した現在、暫定統治するエジプト軍最高評議会は「国際協定の遵守」を表明しているが、選挙後はイスラム原理主義色の濃い政権になることを否定できない。そうなると平和条約は破棄され、一気に第5次中東戦争勃発の危険性が高まる。
 いま中東戦争が勃発すれば、それでなくとも投機マネーの流入で高騰している各種商品先物価格が、青天井で跳ね上がることは目に見えている。たちまちに原油価格は1バレルあたり100ドルを超え、ネガティブな予想をするエコノミストからは、150ドル突破を危惧する声まであがっている。
 当然、原油価格はガソリン価格と連動しているから、高い流通コストは食品をはじめとする生命維持商品の価格を引き上げ、石油精製品を原料とする生活必需品も暴騰する。勿論、代替燃料の石炭や天然ガスも暴騰。工業立国日本は未曾有の大打撃を受けるだろう。
 多くの日本人にとってピラミッドのイメージしかない遠国エジプトでの革命が、世界と日本の近未来に由々しき影響を及ぼし、この瞬間にも世界大恐慌の導火線になっていると理解するべきだ。
 そして、導火線に火をつける陰謀家が、世界のいたるところでマッチを片手にほくそ笑んでいる。仮に国際謀略というものが実在するなら、そのプレーヤーはマネーでマネーを生む血塗られた巨大資本家たちなのだ。彼らこそが都市伝説の創造者なのだ。

(テレンス・リー)


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