昨季18年ぶりにフランスの王座を奪回したマルセイユだが、今季は開幕2連敗とスタートでつまずいている。まだ主力が揃わず、移籍問題に揺れ平常心でシーズンに突入できていない状態にある。

 問題の中心となったのは昨季のリーグ得点王で主将のママドゥ・ニヤン。デシャン監督がどうしても手放したくなかったチームの柱を、フェネルバフチェ(トルコ)に奪われた。クラブはその結果としてハテム・ベン・アルファの引き留めに転じたが、本人はプライドを傷つけられ、練習を拒否して移籍を強行しようとしている。

 加えてニヤンの後釜の筆頭候補だったブラジル代表FWルイス・ファビアーノ(セビージャ)の獲得に失敗し、ようやく入団が決まりかけたフランス代表FWロイック・レミ(ニース)については、直前のメディカルチェックで心臓に異常が発覚。来週の精密検査を待たねばならないが、最悪の場合、移籍が白紙に戻るおそれがある。

 まさに災難続きとなったマルセイユだが、ようやく20日、一昨年のリーグ得点王、フランス代表FWのアンドレ=ピエール・ジニャック(トゥールーズ)獲得を決めた。

 南仏マルティーグ出身のジニャックは子供のころからマルセイユのファン。「ずっとマルセイユでプレーしたいと願っていた。偉大な監督の下でチャンピオンズリーグを戦えるなんて、何と素晴らしいチャレンジだろう」と喜ぶ。

 ジニャックがフランスのトップクラブで欧州レベルの選手へと飛躍を遂げれば、新しいフランス代表にとっても好材料だ。そしてこれにレミが加われば、さらにいいのは言うまでもない。