ようやく先週末に所属するグルノーブルの練習に合流した日本代表MFの松井大輔。W杯に出場したためクラブからバカンスの延長を認められてはいたものの、レキップ紙によると、予定より1週間近く遅れての始動となった。

　チームはすでに8月6日のリーグ・ドゥ（フランス2部）の開幕戦に向けて仕上げに入り、すでにシーズン初の公式戦（7月30日リーグ杯予選、ギャンガンに1―2で敗北）も終えたが、松井にとって本格再開への道のりはまだ長い。

　というのも、降格したチームに残る気持ちはなく、まだ移籍先が決まらない状態だからだ。出遅れた原因は、「W杯開催中は、大会に集中するため、移籍の話をしないでほしいと代理人に伝えてあった」からだという。4日、レキップ紙（ウェブ版）とのインタビューで語った。

　「いまはオファーを検討しているところ。29歳ともなれば、リーグ・ドゥに残らないのは当然だ。監督にも首脳陣にもそう言ってある。2年間残っている契約を理由に、クラブが高すぎる移籍金を要求しないことだけを願う」と話しており、交渉が進みつつあることを感じさせる。

　気になる移籍先だが、強豪ボルドーが関心をもっていると報じられたことについて、「ボルドーからは直接連絡を受けていない。それに、代理人と話し合ったことだが、パリ、リヨン、ボルドーといったクラブでは、競争が激しすぎて、おそらく活躍の場を得るのがむずかしい」と話しており、常時出場を優先させる“現実的な選択”をとるようだ。

　セリエAに昇格したブレシアも獲得を打診したとされるが、「イタリアでプレーすることに関心はない。プレーが内向的でスペクタクルに欠ける。イタリアに行くのは好きだよ、ただし旅行でね」と話すなど、第一希望はあくまで「リーグ・アンに残ること」。「いまのところフランスのメルカト（移籍市場）は動きが少ないけど、いくつか手応えはある」と楽観的に構えているようだ。