NHK大河ドラマ「篤姫」はここ数年でもっとも成功している大河と言われます。もちろん視聴率という点においてですが。しかし一方で、大河ドラマのジンクスとして、「幕末モノは当たらない」とも言われて来ました。ではなぜ篤姫は高視聴率を稼げているのでしょう。それはターゲット・オーディエンスの変化への対応ではないでしょうか。

はっきり言いますが私は相当な大河ファンです。しかし昔のヤツ専門です。
一番好きな大河ドラマと言われても困るくらいにスキスキです。先日まで再放送の「風と雲と虹と」は、30年前の大河とは思えないほどの、ワクワク、ドキドキの毎日で、本当に最終回見るのが惜しくて嫌でした。
今再放送中の「武田信玄」は1988年と、バブル全盛時の思い出でもある名作で、原作者新田次郎の力強い筆致のおかげで、去年の「風林火山」と比べるとそうとう男っぽい作りになっていると感じます。

「太平記」「独眼竜政宗」もいくらでも語れます。
「花神」「翔ぶが如く」に至っては、正に「篤姫」と全く同じ時代のストーリーです。(「花神」は長州・大村益次郎サイド、「翔ぶ」は薩摩・西郷、大久保サイドからの話)
「幕末モノは当たらない」なら、何が当たるのでしょう。やはり戦国、それも信長、秀吉、家康が安定して、視聴率を稼げるようです。
ではこの違いは何?ということになります。

それは大河好きならわかるのではないでしょうか。幕末モノはキーとなる登場人物が多いのです。薩摩藩だけで、西郷、大久保。さらに島津斉彬、久光。長州の木戸、伊藤博文、大村益次郎。もちろん竜馬、松蔭もいます。幕府側だって勝海舟、徳川慶喜、新撰組、彰義隊、白虎隊。水戸老公・斉昭、井伊直弼・・・・どうですか。一人拾ってもドラマになる「濃い」キャラ揃いでしょ?


続きはこちら