1961年発売のスーパーカブC105/YouTubeチャンネル「休日はだかライフ(holiday naked life)」(@holidaynakedlife)提供

写真拡大

中古で購入したガレージ物件の納屋で見つかった1961年製のスーパーカブを、父親が娘と一緒に2日間かけて整備したところ、長期間動いていなかったエンジンが始動しました。娘はスーパーカブを生き物のように感じ、思わず「おはよう!」と声をかけました。動画はYouTubeで16万回以上再生され、「娘さんの『おはよう』に感激しました」「エンジンがかかるとまだ生きてる感じが一気に出ますね!」などの声が寄せられています。

【動画】納屋に眠っていたスーパーカブを父娘で整備したら…

投稿したのは、YouTubeチャンネル「休日はだかライフ(holiday naked life)」(@holidaynakedlife)です。古き良き日本のバイクや車、建物などを再生する様子を通して、「直す」「使う」「生かす」をテーマに発信しています。 

チャンネルを運営する父親は、土地と建物を合わせて15万円で購入した中古のガレージ物件を「秘密基地」にしています。その納屋を片付けていたところ、奥のブルーシートの中から出てきたのは、ほこりをかぶった1961年製のスーパーカブ「C105」です。前の持ち主が残していったもので、長い間動いていない車両でした。 

父親はバイク整備が趣味ですが、娘さんと一緒に整備に取り組むのは今回が初めて。構造がシンプルで機械として分かりやすいこのカブなら、「分からないことが分かる楽しさ」や「困難の先の感動」を伝える最初の一台として、これ以上ない教材だと考えたそうです。

ただ、娘さんは当初、バイクにあまり興味がなかったといいます。「いや、正直バイクってさ、テンションはちょっと上がらないですよ」と苦笑いする場面も。見た目もボロボロだったため、「さすがにお父さんでも難しいんじゃないか」と半ばあきらめていたと、娘さん自身が後に話していたそうです。

作業にかけたのは2日間です。簡単な外装の交換から始め、キャブレターの分解や清掃、部品の交換へと進めました。父親は難しい専門用語をなるべく使わず、キャブレターの仕組みを浮き輪に例えるなど、身近なものに置き換えて説明したといいます。

娘さんは実際に工具を使って、作業に加わりました。自分には難しい作業の際は、工具を渡したり、部品を運んだりして父親を手伝いました。作業を見守りながらカメラを回して撮影することもあり、説明を聞くうちに「これはどういう仕組みなの?」と自分から質問するようにもなったそうです。視聴者の目線に立って質問したり、父親を応援したりするのも、娘さんの役割でした。

分解の途中では、フューエルコックのパッキンが別車種用の合わない部品に替えられていたことも分かりました。前の持ち主が応急処置をしていたもので、古いバイクではこうしたケースも多いといいます。

整備を終え、いよいよエンジンを始動させます。しかし、キックペダルを何度踏み込んでも、カブはなかなか反応しません。途中から雨が降り出して天気が荒れ、娘さんも眠そうな様子を見せ始めました。以前の動画ではエンジンがかからずに終わったこともあり、「一瞬、焦りはありました」と父親は振り返ります。

それでも、以前に別のスーパーカブを修理した経験から、エンジンをかける自信は「十中八九」あったといいます。一方で、「今日は無理でもいい」「失敗するところも含めてリアルやな」とも考え、無理に盛り上げず、ありのままを見せようと腹をくくったそうです。部品の足りないキャブレターに祈りながら、父親はキックを繰り返しました。

キックを続けるうちに、燃焼が一瞬だけ起こる「初爆」が初めてありました。ただ、燃焼は続かず、エンジンはまだかかりません。さらにキックを続けると、乾いた排気音とともにマフラーから煙が立ち上り、ついにエンジンが始動。2人は思わず顔を見合わせて歓声をあげました。

父親によると、娘さんはその瞬間に「このバイク生きてる」と感じ、ただの物が生き物のように思えたといいます。思わず口をついて出たのが、カブへの「おはよう!」という言葉でした。

動画には、「娘さんの『おはよう』に感激しました」「エンジンがかかると、まだ生きてる感じが一気に出ますね!」「娘さんの『おはようっー!』で、見てるこっちまでうれしくなっちゃいました」などのコメントが寄せられています。

「あの瞬間は、本当に言葉にならなかったです。機械はごまかしが利きませんから、一つひとつ理にかなった条件がそろえば、古さやボロさは関係なくエンジンは動く。その過程を一緒に見ていたからこそ、娘と共有できたあの瞬間は、ただの始動成功以上の感動がありました」

2人の次の目標は、このスーパーカブを公道で走れる状態まで復活させることです。このカブは2人乗り用に設計された55ccの車両で、タンデム(2人乗り)ができます。娘さんはまだ免許を持っていないため、まずは父親の後ろに乗せて走る予定です。ゆくゆくは、娘さんの専用機にしたいと考えているそうです。

「公道に復帰できたら、まずは娘を後ろに乗せて、秘密基地の周辺をツーリングしたいです。遠くじゃなくていいので、近くにある大きな桜の木の下まで、2人で走れたら十分。手をかけて付き合うバイクとして、ガレージライフや生き方そのものを楽しめたら最高です」