倉庫で保管されている大量の2025年産米(18日、栃木県矢板市で)=大原一郎撮影

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 2025年産のコメ余りが深刻になっている。

 新米の流通が本格化する中、業者が高値で仕入れた25年産は割高感が強く、消費者に敬遠されているためだ。コメの民間在庫は過去最高水準に積み上がっており、スーパーの平均販売価格は5キロあたり2000円台まで下がった。消費者には朗報だが、生産者は気をもんでいる。

 JA全農とちぎが運営する「とちぎ米広域集出荷センター」(栃木県矢板市)では、25年産米が山積みになっている。「令和の米騒動」で米価が高騰して需要が減った上に、25年産より安い26年産米の流通も始まっているからだ。

 同センターはコメを玄米で低温保管。25年産の在庫は8月末時点で8189トン(5キロ入り換算で163万袋分)あり、この時期として過去最多だという。保管能力が逼迫(ひっぱく)しており、同JAは新米の収容場所確保に追われている。担当者は「地域のJAや運送会社の倉庫で預かってもらうなどやりくりしている」と話す。

 「コメ余り」は全国共通の悩みだ。農林水産省によると、6月末時点の民間在庫量は243万トンと過去最高で、適正水準とされる180万~200万トンを大きく上回る。27年6月末には246万~283万トンに膨らむ見込みだ。

 24年夏から本格化したコメの品薄と価格高騰は、消費者の買い控えに加え、パンや麺類への切り替えを促しコメの需要減少につながった。一方で、26年産米の都道府県別の作柄見通し(8月15日現在)では、新潟や北海道など24道府県で予想収穫量が「(平均を)やや上回る」となった。

 農水省は26年産のコメの需要量を最大711万トンと予測する一方、生産量は最大で754万トンに上振れするとの見通しを示す。需要を生産が43万トン上回る状態だ。各地のJAでは集荷の際に生産者に支払う概算金が前年より大幅に下落。JA全農にいがた(新潟市)は26年産の一般コシヒカリ(60キロあたり)の概算金を1万8500円と、前年当初から4割引き下げた。

 店頭価格も下落基調が続いている。全国のスーパー約1000店で14~20日に販売されたコメ5キロ・グラムあたりの平均価格は2934円と、2週連続で3000円を下回った。一部では新米が25年産より安い価格で販売される「逆転現象」もみられる。

 農水省は昨年放出した備蓄米の一部を買い戻すことを決めた。生産現場には需給の引き締めを期待する声があるが、価格動向は見通せない。

 JA全農とちぎの鈴木真人・米麦総合課長は「きちんと保管した米は25年産米でもおいしい。日本全体で積極的な消費をお願いしたい」と訴えている。