「心臓の手術」は高い?“あの制度”を活用して「治療費」の負担を減らす【医師監修】
三尖弁狭窄症の治療では、高額な医療費がかかることもあります。ただ、日本の公的医療保険制度や各種支援制度を上手に活用することで、経済的な負担を軽くできる可能性があります。高額療養費制度や身体障害者手帳、医療費控除など、知っておきたい制度をまとめてご紹介します。
監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。
三尖弁狭窄症の治療費を抑えるための制度と備え
治療費は患者さんにとって大きな関心事のひとつです。三尖弁狭窄症の治療では、保険適用の有無や各種制度をうまく活用することで、経済的な負担を軽減できる可能性があります。このセクションでは、治療費に関する制度と備えについて詳しく解説します。
高額療養費制度と限度額適用認定証
日本の公的医療保険制度には、医療費が高額になった場合に自己負担を一定額に抑えることができる「高額療養費制度」があります。この制度では、同一月内に支払った医療費の自己負担額が一定の上限額(所得や年齢によって異なる)を超えた場合、超えた分を後から払い戻してもらうことができます。
三尖弁狭窄症の手術や入院が必要となった場合、医療費が高額になることが多いため、この制度の活用を検討することが大切です。特に、事前に「限度額適用認定証」を取得しておくと、窓口での支払い時点から自己負担額を上限額に抑えることができ、一時的な大きな出費を避けることができます。認定証は加入している健康保険の窓口(会社員であれば健康保険組合、自営業の方であれば市区町村の窓口など)で申請できます。
また、70歳以上の方については、自己負担割合や上限額が異なる場合があるため、事前に担当窓口に確認することをおすすめします。
身体障害者手帳・医療費控除の活用
三尖弁狭窄症が重症で心臓の機能に著しい障害があると認定された場合、身体障害者手帳の交付対象となることがあります。身体障害者手帳を取得することで、医療費の自己負担が軽減される「自立支援医療制度」や、各種福祉サービスを利用できる場合があります。
また、1年間に支払った医療費が一定額(10万円または所得の5%のいずれか低い方)を超えた場合には、確定申告で「医療費控除」を申請することで、所得税の一部が戻ってくる可能性があります。手術費や入院費だけでなく、通院のための交通費なども対象となる場合があるため、領収書は大切に保管しておくことをおすすめします。
治療費の準備という観点では、医療保険や生命保険の入院給付金・手術給付金を活用できるケースもあります。加入している保険の内容を事前に確認し、不明な点は保険会社に相談することも有益です。治療に臨む際は、医療的な面だけでなく、経済的な面でも準備を整えておくことで、安心して治療に集中できる環境を整えることができます。
まとめ
三尖弁狭窄症は、適切な時期に診断を受け、症状に合った治療を選択することで、生活の質を維持しながら管理していくことが可能な疾患です。むくみや疲れやすさ、息切れといった症状が続く場合、また過去にリウマチ熱や弁膜症と診断されたことがある場合は、循環器内科への受診を積極的に検討してください。治療費についても、高額療養費制度や各種支援制度を活用することで、経済的な負担を軽減できる可能性があります。一人で抱え込まず、医療機関や行政の窓口に相談することが、長期的な健康管理の第一歩となります。
参考文献
日本循環器学会「弁膜症治療のガイドライン」
厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
国立循環器病研究センター「心臓弁膜症について」
厚生労働省「身体障害者手帳」
国税庁「医療費を支払ったとき(医療費控除)」

