「男性ホルモン」の働きを抑えられる”7つの食べ物”はご存じですか?医師が解説!
男性ホルモンが過剰になる原因は生活習慣から病気までさまざまです。抑制・促進に関わる食べ物も併せて紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「男性ホルモンの働きを抑える方法」はご存知ですか?女性で抑える方法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
「男性ホルモン」とは?

男性ホルモンは、医学用語で「アンドロゲン」と呼ばれるホルモンの総称です。アンドロゲンには複数の種類があり、代表的なものに「テストステロン」があります。
アンドロゲンは、男性らしい特徴の形成に関わるホルモンであることから「男性ホルモン」と呼ばれていますが、実際には男性だけでなく、女性の体内でも産生されています。
男性ホルモンが過剰に分泌される原因

男性ホルモンは、何らかの要因で過剰になることもあります。また原因は1つに限らず、睡眠や食事などの生活習慣、病気などが重複して生じることもあるでしょう。
ホルモンバランスの乱れ
脳の視床下部や下垂体によるホルモン調節のバランスが乱れると、男性ホルモンの分泌が過剰になる場合もあります。その背景には、ストレスや睡眠不足、偏った食事など生活習慣の乱れが影響していると考えられます。
精巣や卵巣、副腎の異常
男性ホルモンを産生する臓器である精巣や卵巣、副腎に異常があると、男性ホルモンが過剰に分泌されることもあります。たとえば、女性では不妊の原因ともなる「多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣症候群」により、男性ホルモンの分泌が増加することが知られています。ほかにも腫瘍が機能異常に関与している場合など、原因によっては治療が必要となるケースもあります。
薬剤やサプリメントの影響
一部の薬剤やサプリメントを使用することで、体内の男性ホルモンが過剰になることも考えられます。サプリメントは食品ですが、複数の製品を併用することで成分が重複し、体に悪い影響を与える可能性もあるため、注意が必要です。
先天的な内分泌異常
生まれつきの病気としてホルモン産生に異常がある場合は、男性ホルモンが過剰分泌されることもあります。たとえば、先天性副腎過形成症という病気が知られています。
成長に伴う一時的な変化
思春期のようにホルモン分泌が活発になる時期には、一時的に男性ホルモンの分泌が増加することも考えられます。これは成長に伴う自然な変化であり、必ずしも異常とは限りません。
男性ホルモンの働きを抑える食べ物

男性ホルモンは、体の機能を維持するうえで重要なホルモンですが、過剰に働くことで皮脂やにきびの増加、毛髪の変化など気になる症状が出ることもあります。特定の食品だけで男性ホルモンの働きを大きく変えることは困難ですが、食事内容を見直すことでこうした症状が和らぐ可能性があります。
ここでは、男性ホルモンの働きによって現れる症状に着目し、その影響を抑える可能性のある食べ物について紹介します。
ビタミンB群を含む食べ物
男性ホルモンは皮脂の分泌を増やし、にきびや吹き出物などの肌トラブルを引き起こすことがあります。そのようなときには、ビタミンB2やビタミンB6を意識して摂りましょう。なぜなら、ビタミンB2やB6には皮脂の分泌量を調整する働きがあるからです。
なお、ビタミンB2は魚や卵、乳製品、納豆、ほうれん草などに、ビタミンB6は赤身の肉や魚、さつまいも、バナナなどに含まれます。
たんぱく質やビタミンD、鉄を含む食べ物
男性ホルモンは体毛を濃くします。しかし、頭頂部や前頭部の毛髪に関しては成長を妨げる方向に働き、抜け毛や薄毛の原因となることがあります。毛髪の主成分はたんぱく質であり、ビタミンDや鉄も毛髪の成長に関わる重要な栄養素です。
そのため、毛髪の変化が気になる場合には、これらの栄養素を意識して摂ることが大切です。なお、たんぱく質は肉や魚、大豆製品などに多く含まれます。ビタミンDはサケやイワシ、きのこ類などに、鉄はレバーや赤身の肉、ほうれん草などに含まれます。
低GI食品や食物繊維を多く含む食べ物
女性の場合、男性ホルモンが過剰に分泌されると排卵しにくくなり、月経不順や不妊の原因となることがあります。このような状態の背景にはさまざまな要因があり、その1つに多嚢胞性卵巣症候群が知られています。そして多嚢胞性卵巣症候群では、耐糖能異常が起こりやすいです。
耐糖能異常を伴う多嚢胞性卵巣症候群の場合には、血糖値を意識した食事が重要とされています。したがって、食後血糖値の急上昇を抑える低GI食品や、食物繊維を多く含む食品を積極的に摂ることが推奨されます。具体的には、玄米や全粒粉のパン、豆類などが挙げられます。
男性ホルモンの働きや分泌を促す食べ物

特定の食品によって男性ホルモンの働きや分泌を大きく促すことは難しいものの、必要な栄養を過不足なく摂取することは、男性ホルモンの働きを支えるうえで重要です。
ここでは、意識して摂りたい栄養素と食べ物について紹介します。
亜鉛を含む食べ物
亜鉛は男性ホルモンの産生に関わるミネラルであり、不足すると男性ホルモンの1種であるテストステロンの合成や分泌が低下する可能性があります。亜鉛は牡蠣や赤身の肉、レバー、ナッツ類に多く含まれています。
良質な脂質を含む食べ物
男性ホルモンはコレステロールを材料として合成されるため、脂質の摂取も重要です。脂質の摂りすぎは肥満を招き、男性ホルモンの低下につながる可能性もありますが、極端に制限することも男性ホルモンの低下につながる可能性があります。
オリーブオイルや魚油に含まれる不飽和脂肪酸は、テストステロンを増やしたり、低下を抑えたりする可能性が示唆されているため、これらを適度に摂るとよいでしょう。
ビタミンDを含む食べ物
ビタミンDは、男性ホルモンの分泌に関与する可能性が示唆されています。一部の研究では、ビタミンDが不足している肥満者がビタミンDを摂取したところ、テストステロン値が上昇したとの報告があります。一方で健康な男性では、ビタミンDを摂取してもテストステロン値に影響がなかったようです。
ビタミンDを多く含むサケやイワシ、きのこ類は、男性ホルモンへの影響だけでなく、バランスのよい食事にも欠かせない食材です。健やかな体を維持するためにも、積極的に摂りましょう。
「男性ホルモンを抑える方法」についてよくある質問

ここまで男性ホルモンを抑える方法について紹介しました。ここでは「男性ホルモンを抑える方法」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
男性ホルモンの分泌や働きが強い人の特徴を教えてください。
木村 香菜(医師)
男性ホルモンの分泌や働きが強い人の特徴は、下記のとおりです。
・皮脂が多く、にきびができやすい
・体毛が濃い
・頭頂部や前頭部の薄毛
・筋肉が付きやすい
・月経不順や排卵障害がある(女性の場合)
ただし、個人差が大きいため、1つ当てはまったからといって必ずしも男性ホルモンの働きが強いとは言い切れません。
まとめ気になる症状が続く場合は生活習慣を見直し、医療機関へ相談しましょう
男性ホルモンは体の機能を維持するうえで重要な役割を担っていますが、過剰に働くことで肌トラブルや体調の変化につながることもあります。気になる症状がある場合には、食事や生活習慣を見直してみましょう。
それでも改善しないときや、症状がつらいときには、我慢せずに医療機関を受診なさってください。
「男性ホルモン」と関連する病気
「男性ホルモン」と関連する病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
内分泌系
LOH症候群先天性副腎過形成
副腎腫瘍
糖尿病多嚢胞性卵巣症候群卵巣腫瘍不妊症多毛症
尋常性ざ瘡男性ホルモンに関連する病気には、さまざまなものがあります。気になる症状があれば医療機関の受診を検討しましょう。
「男性ホルモン」と関連する症状
「男性ホルモン」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
皮脂が多い
にきびができやすい
体毛が濃い
薄毛
生理不順
男性ホルモンが多いと、このような症状が出ることもあります。食事や生活習慣を整えても改善せず、症状が気になる場合は、医療機関を受診しましょう。
参考文献
男性の性腺機能低下症ガイドライン2022|日本小児内分泌学会
LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き|日本泌尿器科学会
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版|日本皮膚科学会
本邦における多嚢胞性卵巣症候群の治療指針|日本産科婦人科学会

