トマトより「リコピン」が多い”3つの食品”はご存じですか?管理栄養士が解説!
トマト加工品やスイカなど、リコピンを多く含む食品をランキング形式で紹介します。意外な食品が上位に入っています。
※この記事はメディカルドックにて『「リコピン」がトマトより多い”2つの食品”はご存じですか?注意点も管理栄養士が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修管理栄養士:
中岡 紀恵(管理栄養士)
短大卒業後、20年以上経って栄養士の職に就く。給食受託会社に勤務しながら管理栄養士の資格を取得。栄養指導に携わりたいという思いから、病院に転職。現在は慢性期病院で栄養指導、入院患者様の栄養管理、給食管理等を担当。生涯現役で、栄養相談を通じてたくさんの人を健康に導くのが夢であり、目標でもある。
「リコピン」とは?

リコピンはカロテノイドの一種で赤色の天然色素です。トマトやスイカ、グァバなど赤色の野菜や果物に含まれています。これらの食品では、熟すほどリコピンの量が増えることが知られています。リコピンはβ-カロテンのように体内でビタミンAに変化しないことから栄養学的な研究が限られていましたが、近年ではカロテノイド、中でもリコピンの強い抗酸化作用に注目が集まり、健康維持との関係について多くの研究報告が行われています。
リコピンの一日の摂取量

リコピンの一日の摂取量に明確な基準は定められていませんが、研究や商品文献などで10~15mg/日程度を目安に摂取することで日々の健康づくりに役立つと考えられています。これはLサイズトマト2個分、またはトマトジュース150mlに相当します。
リコピンの多い食品ランキング

食品100gあたりに含まれるリコピンの含有量を紹介します。なお日本食品標準成分表での表示がないため、米国農務省(USDA)が発表しているFoodData Centralより、身近な食品でランキングを作成しています。
リコピンの多い食品1位トマト加工品
トマトペーストには28.8mgと、非常に多くのリコピンが含まれています。ほかにもトマトソース13.9mg、ケチャップ12.0mg、トマトジュース9.0mgと続きます。これらの加工品では完熟トマトを濃縮して作られるため、生のトマトより圧倒的に高い含有量になるのが特徴です。ただし、製品によっては塩分や糖分が多く含まれている場合があるため、大量摂取は避け、適量を心がけることが大切です。
リコピンの多い食品2位スイカ
食べられる季節は限られていますが、ミニトマトやトマト生より多くのリコピンを含む食品です。赤肉部分に多く、4.5mg含まれています。カットスイカを選ぶ場合は皮の近くまで赤く、熟したものを選ぶとより多くのリコピンが摂取できます。
リコピンの多い食品3位ミニトマト
ミニトマトには4.1mg含まれていますが、品種や完熟度によって含有量は大きく変動します。リコピンは身より皮の部分に多く含まれています。同量を比べた場合、ミニトマトの方が通常のトマトに比べ皮の割合が多いため、含有量が多くなる傾向にあります。
リコピンの多い食品4位トマト生
トマト生には2.9mg含まれています。ミニトマト同様、品種や完熟度によって含有量は大きく変動します。
リコピンの多い食品5位ピンクグレープフルーツ
赤肉種に1.4mg含まれています。白肉種にはほとんど含まれていないため、赤肉種を選ぶとよいでしょう。そのまま食べるだけでなく、ジュースなどでも手軽に摂取できます。
リコピン摂取が少ない食生活で懸念されること

肌への影響
リコピンは強い抗酸化作用をもち、紫外線による肌の赤みや色素沈着などの外的刺激から肌を守る働きが期待され、研究されています。ただしリコピンは必須栄養素ではないために、不足によって特定の症状が直接生じるとは明確に確認されているわけではありません。野菜や果物の摂取量が少ない食生活では、抗酸化成分全体の摂取量が低下し、結果として肌のコンディションに影響する可能性が示唆されています。
血流や血管への影響
リコピンの抗酸化作用が健康的な巡りや血管の健康維持に関する研究が行われていますが、不足そのものが特定のリスクを直接高めると断定されているわけではありません。野菜や果物が不足した食生活では、食物繊維やビタミン、ミネラルも不足しやすく、こうした栄養素バランスの乱れが巡りや血管の健康維持に影響する可能性があります。
免疫機能への影響
リコピンは抗酸化物質として、活性酸素の除去を通じ健やかな身体の維持に役立つ可能性が示唆されています。しかし、摂取不足が直接的に免疫機能へ影響するという明確なエビデンスはありません。加齢やストレス、喫煙や多量飲酒、紫外線など、日常生活のさまざまな要因が体調に影響することが知られています。
「リコピンが多い食品」についてよくある質問

ここまでリコピンなどを紹介しました。ここでは「リコピンが多い食品」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
リコピンが多い食品は何でしょうか?
中岡 紀恵(管理栄養士)
トマト・トマト加工品、スイカ、ピンクグレープフルーツ、グァバなどが代表的です。生のトマトよりも加工品の方がリコピンを多く含み、吸収しやすいことが知られています。
トマトのほか、すいか、金時人参、ピンクグレープフルーツ、グァバ、柿など赤色の果物・野菜に含まれています。いちご、りんご、さくらんぼなども赤色の果物ですが、主な色素はリコピンではなく、アントシアニンなどのポリフェノール類です。リコピンを効率よく摂取したい場合は、トマトやトマト加工品、スイカ、ピンクグレープフルーツ、グァバなどを選ぶとよいでしょう。リコピンは生のトマトよりも加工品のほうが多く含まれており、さらに吸収しやすいことが知られています。また、完熟トマトのほうがリコピン含有量が多い傾向にあります。
生のトマトとトマトジュースではどちらがリコピンを効率的に摂取できますか?
中岡 紀恵(管理栄養士)
トマトジュースの方がリコピンを効率的に摂取できると考えられています。1日200ml程度を目安に摂取するとよいとされています。
生のトマトとトマトジュースでは、トマトジュースの方がリコピンを効率的に摂取できると考えられています。トマトを加熱・加工することで細胞が破壊され、リコピンが体内で吸収しやすい形になるためです。なおリコピンの働きを十分に得るためには、1日200ml程度のトマトジュース(リコピン含有量15~20mg相当)を目安に摂取するとよいとされています。
編集部まとめ
リコピンは日々の食生活の中で取り入れやすく、健康維持に役立つ可能性があるとして研究が進められています。一度に大量に摂取するよりも、普段の食事の中で適量を継続的に取り入れることがポイントです。トマトをはじめ、さまざまな野菜や果物に含まれているため、毎日の食事に無理なく取り入れてみましょう。特定の食品に偏らず、バランスよい食事を心がけることも健康づくりには大切です。
「リコピン」と関連する病気
「リコピン」と関連する病気は1個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
皮膚科の病気
柑皮症
「リコピン」と関連する症状
「リコピン」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
肌が黄色くなる
紫外線による肌の赤み
色素沈着
シミ参考文献
生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット)|健康日本21アクション支援システム Webサイト
生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット)|厚生労働省
トマトまるごと まるわかり!|農林水産省
Top 10 Foods Highest in Lycopene

