韓国若者に仏教人気、競争社会の疲れ癒やす 新スタイルの説法、仏陀描いたTシャツも

韓国の若者の間で仏教が「おしゃれでかっこいい」と一大ブームになっている。新しいスタイルの説法や仏陀を描いたユーモラスなTシャツも人気で、心や健康に良いとして寺での滞在体験や精進料理への関心も高まる。受験や就職の競争が猛烈に激しいことで知られる韓国社会で、仏教の「ありのままの自分でいい」というメッセージが疲れた心を癒やしている。(共同通信ソウル支局=井上千日彩)
音楽を聴き、筋トレする仏陀-。市内の仏教グッズ販売店で若い女性が一風変わったデザインの絵はがきやTシャツを熱心に選んでいた。仏教に新しいスタイルを持ち込んだ一人が頭をそり上げた男性芸人ユン・ソンホさんだ。
僧侶の格好でダンスミュージックに合わせて合掌し、DJとしてパフォーマンスするスタイルが、若者から熱狂的に支持されるようになった。韓国仏教の最大宗派・曹渓宗の僧侶が授与した「ニュジン僧侶」の名前で活動している。
韓国政府の統計では2005年に約1070万人だった仏教徒は、若者の関心低下などから2015年には約760万人まで減った。人口の2割弱とされ、仏教界は危機感を持ち、堅苦しいイメージの脱却に努めてきた。
曹渓宗の企画室長の妙藏僧侶は仏教系ユーチューバーとして活躍、ソウルの寺に動画配信スタジオを設立した。大学生に精進料理を提供したり、婚活イベントを開催したりしている。
妙藏僧侶は、豊かになった韓国で貧困を知らずに育った若者は上の世代と異なり、社会が発する「もっと稼げ」という価値観に共感できないと分析。「執着を手放そう」という教えに安らぎを感じるのではと解説する。
若者が集まるソウル中心部には2022年、ゲストハウス併設の弘大禅院が誕生した。宿泊者は僧侶と交流して瞑想し、自然な形で仏教に触れることができる。俊漢僧侶によると「訪れた人は『ここに来ると息ができる』と話して人生を見つめ直している様子だ」という。
韓国大学生仏教連合会の宣☆(日ヘンに文)志・中央会長(22)は「韓国では就職など全てのことが成績順で決まる」と説明。同級生もライバルと感じる中で「自分を高めつつ、他者を助けることも理想とする仏教の考え方が心に響くのでは」と話した。









