【ラグビー】日本代表、格上フィジー破り7年ぶり優勝 3年連続決勝舞台で雪辱の逆転勝ち20ー15 W杯まであと約1年、第2次エディー・ジャパンで初タイトル…パシフィックネーションズカップ
◇ラグビー ▽アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ2026決勝 日本20-15フィジー(19日、秩父宮)
世界ランキング12位の日本代表「エディー・ジャパン」は、3連覇を狙った同9位のフィジー代表を20-15で破り、7年ぶり4度目の大会制覇を決めた。前半を10-12、後半は10ー3で上回り逆転勝ち。2年連続で苦杯をのまされていた決勝舞台で雪辱を果たした。
通算成績は日本の5勝17敗。前回対戦は米ソルトレークシティーで対戦し27●33で敗れた。一時は23点差をつけられるなど5連続トライを許しながら、後半に猛攻。1トライ1ゴールで逆転勝ちが見えた6点差で惜敗した。24年は17●41の大敗だった。
63〇14で快勝した12日の米国戦から先発2人を変更したエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチは「日本らしい攻撃ができるようになっている。素早い展開でフィジーに対抗したい」と自信を示していたように、有言実行の優勝を果たした。
フィジーの大会4連覇を阻止した日本代表は、次戦の10月24日もフィジーとテストマッチで対戦する。新国際大会「ネーションズチャンピオンシップ(NCC)2026」の後半戦、北半球3チーム(ウェールズ、イングランド、スコットランド)との対戦前最後の試合で、世界9位の強敵を2連破しNCCに弾みをつけたい。
既に出場権を持っている27年W杯への道を歩む第2次エディー・ジャパンは、今年はこれで4勝4敗となった。序盤はNCCの前半戦(7月の南半球シリーズ)初戦でイタリアを撃破。NCCでは1勝2敗の勝ち点4で南半球グループの5位につけており、PNC覇者として世界トップ12チームで争うNCCに弾みをつけた。第2次エディー・ジャパンにとっても国際大会での初タイトルとなった。
10月1日で27年W杯開幕まであと1年。11月30日は日本ラグビー協会が創立100周年を迎える。実りの秋にする。
【前半の試合経過】
日本は自慢の「超速ラグビー」で開始ホイッスルからごりごりに攻めた。開始3分、敵陣10mライン付近左側でのマイボールスクラムでFWがぐいぐい押してライン展開。正面22mでフィジーのオフサイド反則で日本はPGを選択し、FBグリーンがポールのど真ん中を打ち抜き3点を先制した。開始7分、日本が3-0。
フィジーも反撃だ。11分。自陣ゴール前10mでのフィジーボールのスクラムから13番センターが突進。日本は5人が絡むも進撃を止められずトライを許す。キックも決まり、フィジーが7ー3とリード。
15分にはフィジーが故意にスクラムを崩す反則で日本は再びPGを選択。しかし、キッカーのFBグリーンが左からの約25mを左に外し追加点ならず。
21分。一時退場でフィジーFWを1人欠く中、今度は日本が反撃だ。敵陣15m手前の左でのマイボールラインアウトからドライビングモールを作り、逆転トライに成功。最後尾のHO原田がグラウンディングした。キックも決まり、日本が10ー7でリード。
一進一退の攻防が続く。27分。22m右の相手ボールラインアウトで、日本はまさかの隙を突かれる。ボールキャッチから内にボールを戻し、フィジーHOがライン際を独走しトライ。キックは外れ、フィジーが再び12ー10とリード。
日本の好機は30分に訪れる。ゴール正面5m前スクラムでマイボールを獲得するが、展開からパスを受けたCTB廣瀬が激しいタックルを受け、ボールを前に落とすノックフォワード。32分。廣瀬は立ち上がれず、23番サミソニ・トゥアとの交代を余儀なくされた。
33分に再びピンチに。フィジーのハイパントを自陣22m付近でWTB長田が前に落とす相手にボールを奪われる。度重なるフィジーの爆発的な突進にDFで耐え、ゴール手前5mでWTBイノケの渾身のジャッカル(ボールを押さえ込んで相手の反則を誘うディフェンスのスーパープレー)がさく裂した。後半は2点を追い勝負をかける。
【後半の試合経過】
日本が2点を追う10-12で後半がスタート。雨が降った後でボールが滑りやすくなり、両チームともにボールを前に落とす反則ノックフォワードを散発。ぬかるんだグラウンドでのスクラム戦が増えた。フィジーはキックを使い、日本が態勢を整える前に混沌とした状況を作りにかかる。
日本は蹴らずにボールを持って前に運ぶ。52分。敵陣ゴール手前5mの右ラインアウトからモールを形成し突き進む。数度のラックの密集からSH齋藤が飛び込み、ビデオ判定のTMOになるが、判定の結果はノートライになる。アドバンテージで再び同じ場所からのマイボールラインアウトでモールを作り押し込もうと奮闘したが、フィジーDFに阻まれトライはならず。
日本はフィジーゴール手前で粘りに粘る。16分。相手の反則で、スクラムを選択すると会場は興奮だ。「押せ、押せ」コールの中、齋藤に代わり17分にSHに入った藤原がボールイン。左右へのFW攻撃を繰り返し、最後は右にいたFLガンターが藤原の密集からのパスを受け、3人タックルを受けながらトライ。18分。右からのキックは外れたが、日本が15ー12で逆転。
息を吹き返しにかかったフィジーは24分。ゴール手前25mで得たPGを成功。3点を追加し、15ー15で並ぶ。
日本は32分に好機到来。敵陣に深くでラック攻撃を繰り返し、最後は途中交代で入ったBKサミソニ・トゥアがラックからボールを受けた後、ステップを切ってDF1人を交わし、2人タックルを受けながらポスト左にトライ。日本が20ー15でリード。
34分には、途中交代でHO原田に代わり入った佐藤が気迫満点のプレーを見せる。密集にもまれてジャージーが脱げて上半身裸に。それでもプレーを止めず、観客を沸かせた。38分にはFL下川が敵陣22mライン手前で渾身タックル。マイボールラインアウトを奪い、会場は大興奮。攻め続け、終了ホイッスルがなると、1万7421人で埋まった秩父宮が揺れに揺れた。20ー15で日本が勝利した。
◇パシフィックネーションズカップ 第1回大会は2006年。2024年から大会フォーマットが大幅に刷新され、日本、米国、カナダ、フィジー、サモア、トンガの6か国が参加。今年は、新規国際大会の「ネーションズチャンピオンシップ」開催のため規模が縮小され、トンガとサモアが出場せず、日本、フィジー、米国、カナダの参加に。日本の優勝は2011、14、19年大会。
◇日本代表先発メンバー◇
C=試合前の通算代表キャップ数
【FW】
⑴PR 大塚壮二郎(22)=関西学院大、7C
⑵HO 原田 衛(27)=BL東京、18C
⑶PR 竹内 柊平(28)=東京SG、30C
⑷LO ジャック・コーネルセン(31)=埼玉、36C
⑸LO ハリー・ホッキングス(28)東京SG、9C
⑹FL ベン・ガンター(28)=埼玉、24C
⑺FL 下川 甲嗣(27)東京SG、28C
⑻NO8 マキシ ファウルア(29)=東京ベイ、27C
【BK】
▽HB
⑼SH 齋藤 直人(29)=東京SG、35C、ゲーム主将
⑽SO 伊藤 龍之介(21)=明大、7C
▽TB
⑾長田 智希(26)=埼玉、26C
⑿廣瀬 雄也(25)=東京ベイ、9C
⒀ディラン・ライリー(29)=埼玉、45C
⒁イノケ・ブルア(27)=神戸、2C
▽FB
⒂サム・グリーン(32)=東葛、9C
▼リザーブ
⒃佐藤 健次(23)=埼玉、11C
⒄木村 星南(27)=BL東京、4C
⒅稲場 巧(24)=静岡、2C
⒆マイケル・ストーバーグ(34)BL東京、5C
⒇エセイ・ハアンガナ(27)=浦安、3C
(21)ティエナン・コストリー(26)=神戸、18C
(22)藤原 忍(27)=東京ベイ、20C
(23)サミソニ・トゥア(31)=浦安、7C
◇日本代表の-フィジー戦成績◇
1990年3月4日 6●32
1994年5月8日 24〇18
1994年5月15日 20〇8
1999年6月5日 9●16
2000年5月20日 22●47
2003年10月23日 13●41 ※W杯
2006年7月1日 15●29
2007年5月26日 15●30
2007年9月12日 31●35 ※W杯
2008年6月22日 12●24
2009年7月3日 39●40
2010年6月12日 8●22
2011年7月13日 24〇13
2012年6月5日 19●25
2013年6月1日 8●22
2015年7月29日 22●27
2016年11月26日 25●38
2019年7月27日 34〇21
2023年8月5日 12●35
2024年9月21日 17●41
2025年9月20日 27●33
2026年9月19日 20〇15
【注】通算成績は5勝17敗。
【エディージャパンの2026年試合予定】
※9月19日現在、3勝5敗
7月4日 イタリア 27〇10
(ネーションズチャンピオンシップ=NCC)
7月11日 アイルランド 20●36(NCC)
7月18日 フランス 15●42 (NCC)
8月8日 オーストラリア 32●35
8月15日 オーストラリア 17●56
9月5日 カナダ 57〇12
9月12日 米国 63〇14(PNC)
9月19日 フィジー 20〇15(PNC決勝)
------------------
10月24日 フィジー (テストマッチ)
11月7日 ウェールズ (NCC)
11月14日 イングランド(NCC)
11月21日 スコットランド(NCC)
