白崎裕子が明かす、レシピ作りと″上達″の意外な関係

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クックパッドのポッドキャスト番組「ぼくらはみんな食べている」。食や料理に熱い思いを持ち活躍するゲストを迎え、さまざまな話を語ります。クックパッド初代編集長の小竹貴子がパーソナリティを務めます。第86回目・87回目のゲストは、料理教室「白崎茶会」主宰・白崎裕子さんです。



卵や牛乳を使わないお菓子作りで知られる白崎裕子さん。料理教室「白崎茶会」を主宰し、これまでレシピ本大賞お菓子部門を2年連続で受賞しています。2026年4月には初めての野菜料理の本『野菜のいいぶん』を出版し、話題を集めました。しかし、白崎さんが料理上手になる一番の近道として挙げるのは、実は「制限」だといいます。クックパッドのポッドキャスト番組「ぼくらはみんな食べている」で、白崎さんがレシピ作りの舞台裏と、上達の意外な秘訣を語ってくれました。


野菜の叫びを伝える係



新刊『野菜のいいぶん』は、野菜を擬人化してその「言い分」を伝えるという、ユニークな発想の本です。この発想の原点は、小学1年生の頃にまで遡ります。


「小学校の時にですね、とにかくすごい田舎に住んでいて、たけのこ隊っていうのを結成したんです。私が班長で、近所の子供を集めて、全員おにぎりを1人2個作ってきて、自分で作った人しか入れてあげない。そしてタケノコ林に行くんです」


ある日、土の中からまだ小さなタケノコの頭が出ているのを見つけた白崎さんは、掘らずに土をかけて隠したそうです。


「なんか、まだ掘らないでって言ったんですよね。それが『野菜の言い分』だなって思ったんです」


野菜の見た目や切れ込みから言い分を読み取っているのか尋ねると、白崎さんはこう答えます。


「表面とか、あと、同じ野菜を繰り返し使うことによって、いろんなことがわかるんですよ。じっと見てる」


書籍の中には、大根の「お米を入れたお風呂に入りたい」という言い分も登場します。「野菜とお話できるってことですか」と聞かれると、白崎さんは笑いながらこう返しました。


「うん。ってことにしてます」


長年、野菜と向き合い続けてきたからこそ生まれた、ちょっと不思議で、どこか可愛らしい観察眼です。


調理道具は3つでいい。「制限」が生む上達のロジック



料理上手になるコツを聞かれた時に白崎さんがいつも答えているのが、「調理道具を減らす、調味料を減らす」という考え方です。


「調味料がね、塩しかなかったとしますよね。そうしたら、しょっぱいか薄いかどっちかなんですよ。それをまず訓練できますよね。塩で味を決められる人は、酢がきても動じないんですよ」


調理道具についても同じ考え方です。まずは鍋1個、コンロ1個だけで料理を作ってみることを勧めています。


「鍋1個しかないんですよ。もう米炊いたら終わりじゃないか。で、お塩を振って終わりでしょう。でも、じゃあ、お米を出しておにぎりにするとしたら、また鍋があきますよね。そしたら、今度、じゃあどうしよう、汁物作ろうとか」


「なんか規制がある人ってすごく上手になりやすいですよ。お子さんが乳製品使えないとか、絶対使えないから、作るしかないんですよね。すごい上手になっちゃうんですよ」


アレルギーやアトピーに悩む母親たちが白崎さんの教室に集まってきたのは前編で触れた通りですが、その"食べられない"という制限こそが、実は上達への近道だったというわけです。


「制限最高ですよ、制限最高。もう制限からしか生まれませんからね」


おいしいとは、幸せ。次に目指すのは"人が集まる場所"



白崎さんに「おいしいとは何か」を尋ねると、こんな答えが返ってきました。


「幸せってことですかね。生きてるとか。なんか美味しいってその味だけじゃないですもんね」


そして最後に語ってくれたのは、今後の夢についてでした。


「人が集まる場所を作りたいなと思ってて。実際に食べてみたら思ってた味と違ったとか、触ってみたらこんなべちゃべちゃな生地だったのかとか、実際に触れたり口に入れないとわからないことってあると思うんですね。そういうものをむしろ今から大事にしてく時代なんじゃないかなと思って」


ポッドキャストとは?

インターネット上で配信される、ラジオのような音声コンテンツ。スマートフォンのアプリやPCのブラウザ上で、好きな時間に聴くことができます。




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【ゲスト】

第86回・第87回(7月17日・24日配信) 白崎裕子さん




東京生まれ、埼玉育ち。自然食品店「陰陽洞」(逗子市)が主催する料理教室の講師を経て、葉山町の古民家でオーガニック料理教室「白崎茶会」を始める。予約のとれない料理教室として知られ、全国から参加者が集まる。現在はオンラインレッスン「白崎茶会レシピ研究室」を配信。2025年より都内で小さな教室も始める。岡倉天心を師と仰ぎ、日々、お茶や野菜、粉の言葉を聞きながら暮らしている。はじめて聞いた野菜のいいぶんは、タケノコの「まだ掘らないで」。著書『白崎茶会のあたらしいおやつ』『へたおやつ』(ともにマガジンハウス)は、料理レシピ本大賞お菓子部門で2年連続大賞を受賞。2026年4月、初めての野菜料理の本『野菜のいいぶん』(ダイヤモンド社)を発売。


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【パーソナリティ】 

クックパッド株式会社 小竹 貴子



料理愛好家・ 料理の楽しみ共創室 部長/創業期から参画し、初代編集長としてメディアづくりに携わる。現在は、料理家や生産者といった食のつくり手の声を届ける活動を行っている。「日経ウーマンオブザイヤー2010」受賞。プロの技術や食材の背景にある物語を、暮らしに馴染む言葉で伝えることをライフワークに、生活者の目線で食の楽しさを探求している。


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