屈指の人気の高尾山にクマ出没 5連休前に警戒高まる 1号路の城見台付近 東京は世界でも珍しいクマが住む首都
列島各地でクマの出没が相次いでいます。
新たに出没が明らかになったのが、秋の行楽スポットとして知られる東京都内の人気観光地・高尾山です。
週末からのシルバーウィークを前に、地元の自治体が登山客に注意を呼びかけるなど警戒が高まっています。
東京・八王子市にある高尾山。
訪れていた登山客から聞かれたのは「びっくりしました」「少し怖さはありますね」など不安の声。
八王子市によりますと、8月20日の午後11時ごろ、高尾山の山中で、動物観察用に設置されていたカメラにツキノワグマの姿が捉えられていたということです。
本州の広い範囲で生息するツキノワグマ。
東京都の調査によると、都内でも生息が確認されています。
今回クマが出たのは、高尾山で人気の登山道である「1号路」の中腹付近。
城見台から北に70メートル離れた山中です。
地図で見てみると、登山道は両脇を高い木々で囲われていて、舗装された道を歩く登山客の姿が確認できます。
都心からのアクセスが良く、人気の高尾山。
週末からのシルバーウィークや、この先、見ごろを迎える紅葉シーズンには多くの人が訪れます。
そんななか飛び込んできたクマ出没の情報に、登山客からは「心配。だって(クマは)どこまでも歩けるっていうじゃない。怖いもん」「前々からこの山域でクマが出ることがあるっていうのは知った上で、高尾山の山道(付近)にっていうのは、さすがにびっくりしました。クマ鈴はさすがに持ちたいかな」などの声が聞かれました。
登山客が訪れる地元の飲食店では次のような声が聞かれました。
TAKAO COFFEE本店・臼井大地副店長:
飲食店なので生ゴミが出るが、「外に放置しない」対策は(以前から)してる。クマのことや天候のことで不安はあるが、いつも通りやれることをやっていければ。
八王子市は、今回クマが出没したのが夜間だったことをあげ、「早朝や日没後など周囲が暗い時間帯の入山をできる限りお控えください。最新の出没情報を確認するとともに、クマ鈴など音の出る物を携帯するなど適切な対策をお願いします」と呼びかけています。
こうしたクマの出没は9月に入っても列島各地で相次いでいます。
FNNのカメラが捉えたのは、ナシをくわえたクマの姿。
9月3日、広島・三次市の農園で、旬を迎えたナシが被害に遭いました。
農園の担当者は、過去にクマと鉢合わせた場面があったといいます。
三上観光農園・三上恵美子さん:
木の上から夜中に威嚇されたことがあるが、すごく怖かったです。
さらに、京都・舞鶴市でも3日、市内の住宅にクマ2頭が出没。
緊急銃猟を実施する事態となりました。
9月7日には山形・天童市の住宅街にクマが出没。
付近の道路が通行止めになるなど、物々しい状況となりました。
9月に入っても各地で目撃されているクマ。
クマの生態に詳しい岩手大学農学部の山内貴義准教授は、高尾山でクマが撮影された時期はクマの行動が活発になっていたといいます。
岩手大学農学部・山内貴義准教授:
8月は実はクマのエサが少ない時期。クマ自体も行動を活発化する時期なので、ふらっと出てきてしまったという感じかな。
実は、東京の西側・多摩地域の森林にはクマが生息しており、世界でも珍しい“クマが住む首都”といわれています。
クマの出没情報などが分かる「TOKYOくまっぷ」で確認してみると、クマの痕跡や姿が撮影されたのは多摩地域に集中。
2025年度に東京都が行った生息状況調査では、個体数は120~378頭と推定され、増加傾向にあるといいます。
これからの時期は、人間側が山へ近づくことでクマに出くわす可能性が高まると専門家は指摘します。
岩手大学農学部・山内貴義准教授:
(9月は)おいしいエサ場にたどり着くと(クマは)居座ってずっと食べ続けたりする。どうしても人間側が山に行く、登山であったり、キノコ狩りとか。それで意図しない形で至近距離で遭遇するっていうことはあると思う。
17日、登山客を取材すると、さまざまなクマ対策が見られました。
80代:
突然クマと遭遇しないように『常にいますよ』と、クマ鈴です。
40代:
音を出していたらクマは寄ってこないので、大丈夫かなと思って。(Q.どういうふうに音を出す?)ホラ貝。
こういったクマ対策グッズのほか、クマが出る可能性のある山に行った際、注意すべきことがあるといいます。
岩手大学農学部・山内貴義准教授:
揮発性の匂いとかは興味を示す個体がいるみたいなので、デオドラント系の匂いとか香水はあまりつけない方がいい。(クマは)意外と木の上でエサを食べることが多いので、山に入った際に複数人で入るというのが重要なんですけど、下ばかり見るのではなくて、木の上もよく見ながら(歩く)。そこは要注意かなと思う。
山崎夕貴キャスター:
シルバーウィーク中はさらに登山客や観光客が増えるでしょうし、注意が必要ですね。
榎並大二郎キャスター:
さらに、連休中に行われる人気のイベントでもクマ対策がとられています。
9月20日に山形市で行われる秋の風物詩「日本一の芋煮会フェスティバル」では、隣の天童市などでクマが出没したことから、クマ対策として16日から19日にかけて、爆竹や手持ち花火など大きな音になるものを会場付近の山で鳴らすことでクマを近づけない対策を行っているということです。
また、鳥獣撃退装置「モンスターウルフ」を設置。
センサーで野生動物の接近を感知して50種類以上の音声で威嚇し、追い払う装置ですが、もともと山の中に設置していたものを18日に特別に下山させて、会場付近の公園に設置する予定ということです。
シルバーウィークにクマが出没している地域に訪れる際には、対策グッズなど個人でもしっかりとした準備をしておくと安心につながります。

