非ハイブリッド化で100kg以上減 ベントレー・スーパースポーツ(1) パワーウェイトレシオは333ps/t 軽さ追求でも豪華さに驚く内装
100ps以上削りパワーウエイトレシオ上昇
ベントレー・コンチネンタル・シリーズの最新モデルは、GT スピードの車重あたりの馬力、パワーウエイトレシオを引き上げるというアイデアから生まれたらしい。単純にその内容を表すなら、100馬力以上もパワーを削って。
【画像】意識されたのは速さの質 ベントレー・スーパースポーツ 敏腕グランドツアラーたち 全161枚
スーパースポーツとして、コンチネンタルGTを生まれ変わらせた手法は、意外なものといえる。一方でベントレーは、一層シリアスな走りを求める声へ応えるべく、過去にないほどの情熱を注いでもいる。

ベントレー・スーパースポーツ(海外仕様)
果たして、通常のコンチネンタルGTより軽い2シーターのクーペは、彼らの本気度を端的に表すモデルへ仕上がった。スーパースポーツという新たなモデル名も、その熱量を反映している。生産数は500台の限定。2026年末から、納車は始まるそうだ。
ポルシェの幹部からベントレーのCEOへ就任した、フランク・ワリザー氏は、スーパースポーツをブランドの転換点だと捉える。潜在的な能力を証明し、最高水準の走りを追求したモデルを欲する顧客への準備が、整っていることを顕示する事例として。
レス・イズ・モアという引き算の哲学
少量生産のスペシャル仕様でベントレーは何を実現できるのか、スーパースポーツで見事に体現されたといえる。少なくとも、彼の目論見は達成されたように思う。
レス・イズ・モアという引き算の哲学が、高性能モデルで今も変わらず重要なことも実証されたといっていい。コンチネンタルGTに備わった、プラグインハイブリッドの一式とリアシート、フロントのドライブシャフトを、そっくり省くことで。

ベントレー・スーパースポーツ(海外仕様)
4.0L V8ツインターボエンジンには、大径のシングルスクロール・ターボが組まれ、強化クランクケースと新型シリンダーヘッドを採用。排気系は新設計で、ポルシェのチューニングを手掛けるマンタイ・レーシング社が鍛造するアルミホイールを履く。
ルーフパネルはカーボン製で、空力を磨いたボディキットもまとう。優雅さは失わないが、相当に威圧的にも映る。エアサスペンションは維持されつつ、ブレーキはカーボンセラミック・ディスク。タイヤは、セミスリックのピレリ・トロフェオRSだ。
前後の重量配分を整える300kgのダウンフォース
リアに載っていた駆動用バッテリーを降ろしたことで、前後の重量配分のずれが課題になった。それを解決したのが、大きなリアウイング。300kgのダウンフォースがリアアクスルを抑え、バランスさせたという。
コンチネンタルGTとしては、歴代初の後輪駆動。過去80年間の量産ベントレーで、初めて2.0tを切ってもいる。パワーウエイトレシオは333ps/tと、コンチネンタルGT スピードの318ps/tを15psほど上回る。電動化の大きなうねりへ、立ち向かうように。

ベントレー・スーパースポーツ(海外仕様)
それでも、車重は1999kg。最高出力は667psあるが、トップクラスのスーパーカーに並ぶ動力性能ではないだろう。
公道を走れるベントレーながら、英国では型式認証を受けない。そのかわり単独車両承認という、少量生産のモデルを想定した制度を利用し、ナンバーを取得する。その結果、通常なら義務化される運転支援システムも、省くことができる。
シートへ腰を下ろせば内装の豪華さに驚く
ドアを開き、低く据えられた新しいスポーツシートへ腰を下ろすと、内装の豪華さに驚く。軽さを求めて装備を省いたり、簡略化された印象はまったくない。
スーパースポーツの開発チームは、今までになく訴求力の高い走りを叶えながら、高級車らしい印象やグランドツアラーとしての能力を犠牲にしないと決めていた。そのため、キャビンは至って居心地が良い。

ベントレー・スーパースポーツ(海外仕様)
シートはサイドサポートが肉厚で、しっかり身体を保持するものの、座り心地は抜群。レザーは単色から3色コーディネートまで指定でき、ディナミカ・スエードも部分的に用いられる。クリア仕上げのカーボン製トリムも織り交ぜられ、視覚的な充足感は高い。
後ろを振り返ると、バスタブを半分にしたようなカーボン製シェル。後席用のシートベルトや、リアスピーカーも残されていない。リア側の防音材も、殆ど省かれたという。実用性は幾分犠牲になったが、納得できる景色だろう。
気になる走りの印象とスペックは、ベントレー・スーパースポーツ(2)にて。

