「80%引きは当たり前、0円配布も」物価高なのに“安すぎて怖い店”の裏側。扱う商品の基準は「店主が食べられるか」それでも客とのトラブルは無し
◆60~80%引きは当たり前。“怖安い”アウトレットの裏側
ディスカウントストアや業務スーパーなど家計を助ける「激安店」は、これまで人々の生活を支えてきた。都市部では数年前から、賞味期限間近の商品や余剰在庫を安く売る「半額ショップ」も相次いで登場している。だが、ここ最近はその“安さ”がさらに一段階進み、半額どころか60~80%オフは当たり前。なかには「0円」で商品を配る店まであるのだ……。
西武池袋線・入間市駅から徒歩13分。ショッピングプラザサイオスの2階に「39アウトレット埼玉店」はある。同店のコンセプトは「まだ価値のある商品を、必要とする人へ、より手に取りやすい価格で届けること」。それを体現するように、店前には堂々と「賞味期限切れ食品 店頭価格から60%引き」の垂れ幕が掲げられていた。さっそく店内に入ると、倉庫のような空間に食品、日用品、アパレル、家具、雑貨が混在……。段ボールが山積みの売場で値札を確認すると、やはり60~80%引きが当たり前だ。
この日はここから半額というワケのわからない大決算セールが行われていた。ほかにも、型落ちのAmazonブランドの日用品やペット用品、さらに18禁ののれんが掛かったコーナーまで!記者が手に取った缶詰は定価500円が100円、定価1020円の「PREMIUM TENGA」を250円でゲット。
「掘り出し物じゃん!」と心で叫びつつ、次々とカゴに放り込んでしまう危険な空間だった。
◆二束三文の買い取りでも、廃棄コストのほうが高い
どうやって60~80%引きで利益が出るのか。その理由は、流通に乗らない商品や賞味期限の迫った商品などのワケあり品だ。流通ジャーナリストの渡辺広明氏が儲けの裏側を解説する。
「Amazonなどのネット流通で箱が潰れていて返品になったり、卸業者が余剰在庫を抱えていたりするので、そういうものが激安業者に流れてきます。食品の製造原価は定価の15~20%が平均的ですが、業者側からすると廃棄するほうが輸送費も処分代もかかります。二束三文でも買い取ってもらえば捨てるよりも得。だから、半額以下で投げ売りしても十分に利益が出るんです」

