スティーヴ・マックイーンが所有した特別なフェラーリ275GTB/4*S NARTスパイダーが出品される!
275GTB/4*S NARTスパイダーはフェラーリの”正式”モデルではなく、ルイジ・キネッティが営む北米ディーラー向けに生産された限定車である。ルイジ・キネッティはフェラーリ初のル・マン優勝を果たした元レーシングドライバーであり、北米最大規模の正規ディーラーや準ワークスチーム「N.A.R.T.(North American Racing Team)」を率いた人物。
275シリーズには、クーペの275GTBとオープンの275GTSというラインナップが存在していた。しかし1966年、フェラーリ初となる4カムエンジンを積んだクーペ「275GTB/4」が登場した際、それに対応するオープンモデルはラインナップされなかった。
そこでキネッティが275GTB/4の性能を持つオープンカーが欲しいとフェラーリ社に直談判し、カロッツェリア・スカリエッティに架装させて実現した特別注文車がNARTスパイダーである。生産はわずか10台のみ。そもそも275GTB/4自体が高性能かつ希少モデルであるうえ、キネッティ特注モデルであるので275GTB/4*S NARTスパイダーはフェラーリコレクターにとっては垂涎の的。
当該車両は生産6台目(シャシーナンバー10453)で、当初ブルー・セラ(イブニングブルー)で仕上げられた2台のうちの1台だ。1967年9月に完成し、ルイジ・キネッティ・モーターズを経てハリウッド・スポーツカーズからマックイーンの手に渡った。
納車後まもなく、マックイーンは自らダークメタリックブルーへ再塗装し、シートの縫製パターンまで変更するなど随所に手を加えている。パシフィック・コースト・ハイウェイでの事故修復を経て、1971年にJ・デヴィッド・コフのコレクションへ、1986年には現オーナーのもとへと渡った後40年間、そのままの状態で保存されてきた。マッチングナンバーのエンジンとトランスアクスル、オリジナルのスカリエッティ製ボディ、そしてマックイーン時代の改造の痕跡をそのまま残す、まさに「唯一無二」の一台である。

