【巨人次期監督問題】桑田真澄氏がラジオ番組で告白、阿部慎之助氏のインタビュー…重要人物の発言が相次ぎ、選考はいよいよ混沌
ペナントレースが佳境を迎えるなか、シーズン途中での監督電撃辞任があった巨人では次期監督選考をめぐる動きにも注目が集まっている。重要人物と目される球団OBが相次いでメディアで口を開いたが、一体何が起きているのか。
【写真】黒ネクタイ、スーツ姿の阿部慎之助氏。ほか、橋上秀樹監督代行も
「僕がいるとやりづらいということだったらしいですね」
8月30日、文化放送『生島ヒロシの日曜9時ですよー』にゲスト出演した桑田真澄氏はそう語った。
阿部慎之助前監督の体制下で二軍監督を務め、昨季は独走でイースタンリーグ優勝を飾った桑田二軍監督だが、オフの昨秋に突如として退任。球団を離れた。
それから約10か月が過ぎ、ラジオを通じて初めて本人が語った内容は大きな反響を呼んだ。
番組で桑田氏が告白したところによると、球団側に「来年も頼む」と言われ二軍監督を続投する話になっていたが、ある日突然、「ユニフォームを脱いでくれ」と言われたという。「自分で資料を作って定期的に勉強会をしたり、来年はこれをやりたいという準備をしていた」だけに、退任となったことは「すごく悲しかった」と明かしている。
「凄いことになっていますね」
聞き手となった番組パーソナリティの生島ヒロシ氏が現場での様子を明かす。
「桑田君とは現役時代から付き合いがあるんです。今回は台本もなく、『なんでも聞いてください』ということだったので、自然な流れのなかで巨人を辞めた話になり、私が疑問に思っていたことをぶつけたのですが、桑田君はそれに自然体で答えてくれました。
放送後に大きな話題となったのでLINEを送ったところ桑田君からも"凄いことになっていますね"と返ってきました」
桑田氏の退任後、3年目の阿部体制がスタートしたが、2026年5月に阿部氏が長女への暴行容疑で現行犯逮捕され、電撃辞任した(6月に不起訴)。
阿部氏の辞任について同番組で桑田氏は「びっくりしました」とコメント。続けて、「ボクもそういう時代に育ってきました。小学生の頃からグラウンドに行って、殴られなかった日が記憶にないぐらい」と野球界の指導者論へと話を展開した。
「時代と共に指導法を変えていくべき」「変えられない人たちがまだまだ野球界にはいる」とも指摘している。
時に"スパルタ式"と称された阿部氏の辞任後の巨人は橋上秀樹監督代行が率いているが、次期監督選考も話題となるなか、阿部氏辞任の話題からの流れのなかで"理論派"の桑田氏が指導者論を語ったことでも注目を集めたのだ。
その舞台裏について生島氏はこう話した。
「番組は少し前に収録されたものなんです。ただ、編集はほとんどしていない。桑田君に気になるところがあるかを聞いたところ、"楽しかったのでそのままでいいですよ"との返答でした。ほぼ余すことなくそのままオンエアしています」
迷いなく思いを語った様子だったというのだ。
退任の経緯には忸怩たる思いがあるようにも捉えられるが、生島氏は「ジャイアンツへの憎しみのようなものは感じられなかった」と印象を語る。
「野球人口の減少など、球界全体のことを考えている様子でした。他球団からでも、もちろん巨人からでも、監督のオファーがあれば考える。そんなふうに見えました」
桑田氏は2026年1月からオイシックス新潟でCBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)を務めているが、阿部氏が辞任後の6月には週刊新潮の直撃に対して、「依頼があれば(巨人監督を)やってもいい」と発言したとも報じられている。
橋上監督代行のもと優勝争いを繰り広げる巨人だが、「監督不在」のままシーズン終盤となり、次期監督選考も大詰めを迎えているとされる。巨人OBのひとりが言う。
「OBも球団関係者もベストと考えるのは松井秀喜。ただ、松井は"切り札"だから、もっとチーム状況を整備してバトンを渡したい。阿部への同情論で復帰を求めるオンライン署名もあったが、読売グループのコンプライアンスへの厳格さからすると難しい。むしろ高橋由伸に再度チャンスを与えるべきとの関係者の声があるが今の戦力で引き受けるかどうかははっきりしません」
そうしたなか山口寿一オーナーの信頼も厚いとされる桑田氏の発言が放送され、"すわ、桑田の変か"と関係者もその真意に関心を寄せたわけだ。
「いつか恩返しを」
さらに約1週間後の9月7日、野球専門ニュースサイト『Full-Count』が今度は阿部氏の告白を掲載。インタビューのかたちでメディアの取材に応じるのは監督辞任後初めてのことだった。
阿部氏はファンに対して「申し訳ない。今でもずっと思っています」と改めて謝罪し、逮捕・釈放された翌日に山口オーナーと交わした会話の内容を明かした。オーナーからは「暴力は決してあってはいけないこと」と厳しい言葉があったが、阿部氏の巨人に対する貢献も認めてもらったとしている。
巨人には「いつか何らかの形で、恩返しの続きをしなければならないという気持ち」とも心中を明かした。「週刊ポスト」(8月14・21日号)の直撃で復帰について「そうしたい気持ちもあるけど……僕だけのアレじゃできないから」と答えた時と同様に抑制的ながら今後への思いを滲ませた。
重要人物の発言が相次ぎ、事態は風雲急を告げる。野球評論家の江本孟紀氏はこう語る。
「橋上代行のもと優勝争いに絡むなか、優勝しても代えるなら次期監督はよほどの大物を据えないといけない。本命は松井ですが、担ぎ出すタイミングの問題があり、他の候補は決め手に欠くから名前が多く挙がる。メディアを通じた情報戦にもなるわけです。松井以外の場合、選考の基準を世間に対してどう説明できるかも球団に問われるでしょう」
球界の盟主の監督選考に残された時間は少ない。
※週刊ポスト2026年9月25日・10月2日号
