「詐欺じゃないのか」息子の相談で100万円失った母親が訴える! 1通1500円「オンライン占い」の巧妙な手口

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1通1500円のメールが100万円の請求に

甘い言葉と危機感を煽るメッセージに誘導され、気づけば大金を支払っていた--。占いサイトによる被害が後を絶たない。

「支払ったのは、約100万円。引きこもりの長男(30代)を案じて、占い師に相談していました」

名古屋市在住の米山智子さん(仮名・60代主婦)は、目に涙を浮かべる。

智子さんが利用したのは、“初回無料”のオンライン占いだ。偶然目にしたネット広告で「当たる!」「人生が変わる!」という文言に惹かれたのだという。

「鑑定はメールでした。相談するのに1500円、先生から答えをいただくのに1500円。開運のためのスマホ待受画面をもらうためには300円~500円がかかりました」(智子さん)

支払いは、クレジットカードを利用。「ワンクリックで決済できたので、1回の相談で、いくら使ったのかわからなくなっていった」と智子さんは振り返る。

占い師は「今は辛くても、息子さんの仕事は決まります」「新しい職場で出会った女性と結婚して、幸せな将来を送れるはずです」と、智子さんにやさしい言葉をかけてきたという。

「しかし、占いや祈祷を繰り返しても息子の様子は一向に変わりませんでした。それでも先生は『今は耐えどき。ここで止めたらこれまでの祈祷が全部ムダになる』とおっしゃった。クレジットカードは毎月、上限を超えてしまい、ついには老後資金にまで手を出してしまって……。つい先日、夫がそれに気づいて、三行半を突きつけられてしまったんです……。

そんなに続けるつもりはなかったんです……すぐに止めるつもりでしたが……これって詐欺じゃないんでしょうか…」(前出・智子さん)

泣きながら取材に応じてくれた智子さん。後日、記者が彼女の携帯に電話をかけたが、携帯が止められてしまったようで、音信不通となってしまった。

「耳ざわりのいい言葉」しか言わない占い師の罪

こうした被害に遭うのは、智子さんに限ったことではない。

国民生活センターによると、占いサイトでのトラブルは、相談は年間2000件前後で高止まりを続けている。かつて隆盛を極めた出会い系「サクラサイト」の悪質な手法が進化し、いまや「占い詐欺」として猛威を振るっているのだ。

高齢者のみならず、若い世代の被害も深刻だ。

占いサイトには2か月で50万円以上を使っていました。1回につき5000円以上、多い時で3万円近く払ったこともあったかな」

次に被害を明かしてくれたのは、東京都在住の伊藤明日香さん(仮名・20代会社員)。

「きっかけは、学生時代から付き合っていた彼氏の浮気です。友達からは『あんな男は忘れて、次に行きなよ』と言われていたけど、結婚も考えていた人だから諦めきれなくて。初回無料の占いサイトを利用したんです。

そこである占い師に出会って、すっかりハマってしまって。その占い師は『彼も本当はあなたのことが好き』『今は辛くてもきっとあなたと復縁できる』と何度も言ってくれた。日中は平気でも、夜になるとどうしても不安になってしまう。私がハマっていた先生に占ってもらえなかったら、ほかの先生にお願いして……。とにかく復縁する方法を占ってもらっていたんです。サイトなら深夜でも話を聞いてもらえますし、どこでも利用できます。

酷いときは職場のトイレからサイトにアクセスしていました」(前出・明日香さん)

しかしいつまで経っても、元恋人からの連絡は途絶えたまま。それでも明日香さんは占い師を信じ続けた。

だが、転機は意外なところから訪れる。

「お恥ずかしい話、カードの明細を見て目が覚めました。恋愛の苦しさよりも、お金がない恐怖の方が強烈だったのかも(苦笑)」(前同)

明日香さんには、今年に入って新しい彼氏ができた。それにより傷は徐々に癒え、占いサイトにアクセスすることはなくなったという。

「今は、何かあればチャッピー(ChatGPT)に相談しています(笑)。AIなら課金しすぎる心配もないし、結構当たっている気がします!」(前同)

「耳の痛い真実」を言えない占い業界の歪な構造

インターネット空間に蔓延(はびこ)る占い詐欺。ベテラン占い師たちは、こうした悪徳業者をどう思うのか。

「かつて占いは、国家の行末や戦の成否を左右し、外せば命を落としかねない重責を担うものでした。しかし、現代の多くの占いは変質しています」

そう語るのは中国古式の占術と祈祷を修め、約20年にわたり開運アドバイザーとして活動しているJJ氏。同氏もかつてとある占いサイトで勤務した経験があるという。

「その占いサイト利用客の中心層は、概ね40~50代女性。多くは不倫など、人に言えない悩みを抱えています。利用者は『自分の将来や行先を占ってほしい』と言っていますが、実は自分の中で答えが決まっていることが多いんです。

例えば、誰がどう見ても破綻寸前の不倫関係に悩む相談者に対して、占い師が『この道ならぬ恋は、今すぐ清算したほうがいい』というメッセージを伝えれば、相談者が怒り出したり、報復で悪いレビューを書かれてしまう怖さもあります」(JJ氏、以下「」も)

変化には痛みを伴う。運命を切り拓くためのアドバイスは、当の本人には耳が痛い内容が多いものだ。しかし、こうしたアドバイスに“逆ギレ”した相談者から、占い師は悪い口コミを書かれるリスクすらあるのだという。

「そのため、占い師は『あなたが誰かを本気で好きになったことには、それだけで意味があります』『今の彼は、あなたの心の支えになってます』など、相談者が求める、耳ざわりのいい言葉だけに終始してしまうんです」

もちろん、相談者の気持ちを否定しないこと自体は悪ではない。しかし、相談者を傷つけないことが、「相談者が聞きたいことだけしか伝えない」ことにすり替わってしまう。それが問題なのだ。

「その結果、相談者は自分が欲しい答えをくれる占い師に心酔するようになります。そうなると何かあるたびに占い師に相談し、その言葉なしには自分の人生を決められなくなっていく。こうして占い師と相談者の間に依存の構図が生まれるんです」

近年では、AIが鑑定文を自動生成するケースも増えている。

「人は、誰にでも該当する抽象的な特徴を『自分のことだ』と錯覚する心理傾向を持っています。これは、心理学的には”バーナム効果”と呼ばれます。たとえば不倫の相談ならば、『あなたと彼の間には、他の人には伺い知れない深い絆と、同時に強い葛藤が存在していますね』など、AIが大量の学習データをもとに、もっともらしい鑑定文を生成しているんです」

こうした無料鑑定をきっかけに、クローズドな有料サイトに誘導する。これもまた占いサイトの「王道」パターンなのだ。

取材・文/アケミン

こうしたトラブルは、なにもインターネットの中ばかりではない。従来のように占いが悪用される事態は後を絶たない。続く後編記事『相談者の判断力を奪い支配する『対面型の悪徳占い』現役占い師が明かす恐るべき手口と実態』では、その恐るべき手口について詳報する。

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