大谷翔平は「もう二刀流をやめるべき」 元プロ投手が衝撃のIL入り後に飛ばした“限界論”「夢を追いかけるのはここで終わり。それでいい」

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約3年ぶりにILに入った大谷。その状態は米球界内で小さくない論争を生んだ(C)Getty Images

32歳で迎えた肉体の限界

 二刀流スターの肉体が悲鳴を上げた。

 現地時間9月11日、ドジャース大谷翔平は、右上腕二頭筋の炎症により負傷者リスト(IL)入り。復帰は最短でもレギュラーシーズンの残り試合数が「5」となる23日の本拠地パドレス戦だ。

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 シーズンの大詰めで偉才に異変が生じた。

 6月に左膝の炎症が発覚し、夏場以降には右上腕二頭筋、さらに首の違和感を抱えていた大谷は、肉体的な限界を迎えた。4試合連続での欠場を経て迎えた9月7日のレッズ戦での打席で「違和感を覚えたスイングがあった」(デーブ・ロバーツ監督談)と判明。チームは本人と医療スタッフの見解を待ち、IL入りを先延ばしにしたが、最終的に満身創痍の状態でのプレー継続が不可能と判断した。

 現在32歳の大谷は、今季が二刀流での“完走”を狙った年だった。実際、前半戦の状態は上々で、投手としては14先発で8勝ながら、防御率1.79、WHIP0.95、奪三振率9.98のハイスタッツを記録。打者としても打率.293、22本塁打、出塁率.403、長打率.549、OPS.953の好成績を叩き出し、世間では「MVP間違いなし」と論じられた。

 しかし、その負荷は想像以上に肉体に影響を生んでいた。結果論ではあるものの、二刀流継続がかつてないほど厳しい状態に陥ったのも事実だ。

 米球界内では、現球界で唯一無二とされてきた二刀流の“限界論”も上がっている。かつてメッツなど3球団を9年間に渡って渡り歩いた元MLB投手のトレバー・メイ氏は、米野球専門YouTubeチャンネル『Foul Territory』において「もう(二刀流は)やめるべきだ。夢を追いかけるのはここで終わり。それでいい。だって、昨年もほとんど投げてないし、その前は全く投げれていない」とバッサリ。ともすれば、辛辣とも言える持論を展開している。

「ショウヘイにはグラウンドに立ち続けてもらう必要がある。彼に周りが多くを求めるあまり、今の彼が出来る唯一の強みである打撃にも悪影響が出るなら一体何のために二刀流はやる必要があるんだ? 誰だっていつかはペースも落ちるし、メジャーリーガーは小さな故障もあちこちに出る。むしろ、いままでやってこれたことが奇跡なんだ。だから、多くの選手が二刀流を避けるんだよ」

夏場に入り、投げる方だけでなく、打撃でも支障をきたしていた大谷(C)Getty Images

「打者一本でいくだろうとみんなが思っている」

 二刀流の限界を訴えるのには理由もある。33歳で現役引退を決めたメイ氏は、実体験をふまえた興味深い意見を続けている。

「僕はリリーフ投手だったけど、30歳を超えたあたりで、まさにジェットコースターの頂上を越えて、急降下していくのを感じ始めるような出来事が起き始めるんだ。そうだな、予想もしていなかった不具合が起きるんだ。それまでは一度だって気にならなかった痛みが出始める。肩や首が寝違えたのが原因でおかしくなったりね」

 アスリートも人間である以上、年齢を重ねていくたびに異変が生じるのは常。ましてや、限界まで肉体を酷使する二刀流を継続すれば、通常よりも早く変化が訪れる可能性は上がる。「彼もいつかは現実と向き合う日が来る」と続けるメイ氏は、「ショウヘイもいずれは打者一本でいくだろうとみんなが思っている。あるいは投手一本か。とにかくどちらか1本を選ばなきゃならないだろうし、それが自然の摂理。年を取るとやれることは減っていくのは当然だ」とも断言。改めて大谷の異常さも語っている。

「僕は投げる方だけ。しかも、1シーズンでも多くて60イニングなげるぐらいの投手だった。だけど、登板日以外に投球練習のプログラムをフルにこなしながら、その上で打撃練習をすることが、どれだけ大変なことかは想像できるよ。僕なら食事をする気力すら残らないと思う。ましてや野球をまたやろうとは思わないかもしれない」

 もちろん、個々によって肉体に違いはあり、限界値も異なる。異常な挑戦を続けてきた大谷は、まだまだ進化の過程にいるのかもしれない。だが、MLBの過酷な日々を知る知る元プロの言葉は、妙な説得力を感じさせた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]