TeNYテレビ新潟

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日常的にたんの吸引や人工呼吸器などのケアが必要な「医療的ケア児」。新潟県内にもおよそ300人いるとされています。

2021年9月に医療的ケア児支援法が施行されてから5年。環境は少しずつ整ってきましたがまだ課題も残されています。県内の医療的ケア児支援のいまを見つめました。

◆重症心身障害児や医療的ケア児を対象にしたデイサービス

新潟市中央区の重症心身障害児や医療的ケア児を対象にしたデイサービス「なな色」です。

看護師や理学療法士、保育士が常駐し医療的ケアが必要なこどもの療育にあたっています。

利用者のひとり、5歳の斎藤雫華(しずく)ちゃん。

18トリソミーという18番目の染色体が1本多い先天性の病気を持って生まれました。

常時、酸素を吸入しているほか定期的な投薬や浣腸、おむつ替えなど1日を通して多様なケアが必要です。

週に1~2回なな色に通っている雫華ちゃん。この日は音楽に合わせて身体を動かし五感を刺激する療育、“ミュージックケア”をみんなで楽しみました。

◆自宅では主に母親がケア

デイサービス「なな色」にいる時間以外は自宅で過ごす雫華ちゃん。必要なケアは、主に母・友美さんが担っていますが、それは昼も夜も続きます。

就寝中も、布団を直したり酸素の管が絡まっていないか確認したりします。

この日は朝7時頃に起きるまで5回ほど起きて様子を確認していました。

【雫華ちゃんの母 斎藤友美さん】
「まとまって3時間寝てみたいとかっていうのはありますけど、でも生きているってことだから、いいかとか思って」

斎藤さん一家はなな色のようなデイサービスだけでなく、「訪問看護」や自宅で保育サービスを受けられる「居宅保育」、「リハビリ」や「訪問診療」を利用しています。

【雫華ちゃんの母 斎藤友美さん】
「本当こんな小さいひとりのために、たくさんの人に助けてもらってすごい幸せだなって思います」

◆家族がそれぞれの時間を過ごすために

また、雫華ちゃんが「なな色」に通っている間、家では別の時間が生まれます。

家事に加えて歯医者や美容院などの母親自身の用事を済ませることができます。
そして雫華ちゃんの兄・柊臣(しゅうじん)くんと両親が過ごすことも。

雫華ちゃんを預けることで「休息」の時間だけでなく、きょうだいや夫婦と過ごす時間も生まれます。

そんな医療的ケア児と家族を社会全体で支えるため、5年前に施行されたのが「医療的ケア児支援法」です。

法律が掲げたのは、子どもの成長を支えることだけではありません。

家族の離職を防ぎ、安心して子どもを育てられる社会をつくることも目的の一つです。

◆デイサービス利用で仕事に復帰できた人も

2025年4月から医療的ケア児の預かりを始めたデイサービス「なな色」。

18トリソミーの2歳の男の子・千颯くん家族も2026年3月から利用しています。

【千颯くんの母 美優さん】
「通常の保育所だと、看護が必要な息子がなかなか入れるところがないので。相談するなかで呼吸器をつけて見てもらえるところが、こういったデイサービスのある施設でもなな色さんしかない」

千颯くんは現在週に3回の頻度で利用しています。母・美優さんはなな色を利用することで仕事復帰することができたといいます。

【千颯くんの母 美優さん】
「いままではずっと家にいるのが メインだったのが、息子も私も外の環境に出ることですごいメリハリのある生活になった」

家に看護師が訪れる訪問看護なども利用していますが、夜間のケアは夫と2人だけです。

【千颯くんの母 美優さん】
「(夫婦)ふたりいて何とか成り立っていますけど、やっぱり親の休息はお互いそれぞれふたりだけの生活より睡眠時間も減ったし、(決まった)時間でやることも多いので自分たちの時間にかけるところが今はなくなったというか」

◆十分とは言えない医療的ケア児の支援施設

医療的ケア児を預けることができる施設はまだ十分とは言えません。

2025年に県が行った実態調査では、日中預けられる施設について「近くにない」「希望するときに利用できない」「希望する日数を利用できない」と答えた人が3割以上にのぼりました。

長岡療育園内にある、県医療的ケア児支援センターでアドバイザーを務める桑原拓さん。

医療的ケア児支援について課題は多いといいます。

【医療的ケア児者支援センター 桑原拓さん】
「“レスパイト”が不足しているのが県内の状況かなと思っています」

レスパイトとは、宿泊を伴う一時預かりで、介護する家族がケアから離れ、休息をとるための支援です。

現在、医療的ケア児を対象にしたレスパイト施設は、県内におよそ10ありますが、人口比に対して充分とはいえない実情があります。

【医療的ケア児者支援センター 桑原拓さん】
「人工呼吸器等 医療的ケアの必要性の高い方が、すこし増えている印象はあるので、そういった方に対してきめ細かなサービスを提供するにはどうしても時間や人手、専門性も必要になってきますので、そういった部分でのマンパワー、専門性というものも、やはり必要性が高まっている課題のひとつかなと思います」

◆医療的ケア児支援法施行から5年

新潟市中央区で医療的ケア児を対象にしたデイサービスを行っているなな色です。

利用する子どもが増え、一日5人の定員がいっぱいになり受け入れを断らざるを得ないケースがあるといいます。

【デイサービスなな色 金子まゆみ理事長】
「私も訪問看護をしていたんですけど、やっぱり1時間もしくはいられて2時間しかおうちの中では助けることができないので、ここ(デイサービス)だと8時間くらい預けてお母さんたちも社会に出ていけるよというところで、訪問看護プラスこういう施設とかあとはレスパイト施設がさらに充実していくといいなと思います」

法律ができて、5年。支援の仕組みは少しずつ整ってきました。

子どもを支えることと、家族の人生を支えること。

その両方を実現するために、これからどんな支援が必要なのかが問われています。