台湾の「半導体外交」が結実、国交国グアテマラで初の国産チップ開発-仏メディア
2026年9月9日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、台湾との外交関係を維持する中米グアテマラで初の国産設計半導体チップが開発され、台湾の先端技術支援が外交関係維持の新たな切り札になっていると報じた。
記事は、グアテマラ・デル・バジェ大学(UVG)の教員・学生チームが、同国初となる独自設計のナノ半導体チップ「エル・グラン・ジャガー」を開発したと紹介。チップは65ナノメートルプロセスおよび台湾積体電路製造(TSMC)の技術を採用して製造される見通しで、現在は最も重要とされる検証段階に入っていると伝えた。
そして、開発の背景として、2024年1月に就任したグアテマラのアレバロ大統領が、経済発展に向けて台湾にハイテク半導体産業の発展支援を繰り返し求めてきたことに言及。台湾・グアテマラ双方が「チップの道」計画を共同で推進し、台湾工業技術研究院(ITRI)が現地産業の分析を担当したほか、25年5月には職業訓練プログラムを立ち上げて優秀な人材28人を集中育成し、同年には半導体協力に関する意向書も締結して協力を外資誘致、サプライチェーンの強靭化、研究開発、人材育成、技術支援へと拡大させてきたと説明した。
また、今年4月にグアテマラのメンコス公共財務相が訪台した際、台湾の林佳竜(リン・ジアロン)外交部長が医療や経済の協力にとどまらず、技術供与や人材育成の共有を通じて産業構造の高度化を支援する方針を表明したことを指摘。今回のチップ開発が単なる一方的な資金援助(金銭外交)から、産業の強みを生かした双方向の技術支援と人材育成へと進化する台湾の新たな外交戦略を象徴していると論じた。
さらに記事は、中国が巨額のインフラ投資を武器に中南米諸国に台湾との断交を迫ってきた一方、過去に台湾と断交した国々が再び台湾の半導体技術に熱い視線を注いでいるとも紹介。台湾紙・自由時報の経済版「自由財経」の報道として、07年に断交したコスタリカでは貿易振興庁が職員を派遣して台湾の半導体企業少なくとも8社と接触したほか、台湾で開催された国際半導体展「SEMICON Taiwan」に2年連続で参加したと伝えている。
このほか、17年に台湾と断交したパナマの超党派議員団が今年7月に訪台して半導体物流拠点の構築や商務事務所の設置を模索したことにも言及。18年に断交したドミニカ共和国も半導体発展を国家の最優先事項に掲げて25年に国家戦略を策定しており、かつての「道路や橋の建設」から「半導体チップ」へと地政学的カードが移行しつつあると評した。(編集・翻訳/川尻)

