高額の遺伝子治療薬、中国で140万元値下げ後、初の患者に投与
1回279万元(約6417万円)という価格で、中国で最も高額な医薬品となっていた注射剤「波哌達可基注射液(商品名:信玖凝)」が、今年6月に140万元(約3220万円)値下げされた後、初めて患者に使用されました。
中国の経済メディア、第一財経の記者が9月9日、開発メーカーの信念医薬から得た情報によりますと、「信玖凝」はこのほど天津で中国初の処方が行われました。
「信玖凝」は、中等度から重度の血友病B(先天性凝固第IX因子欠乏症)を治療する遺伝子治療薬です。中国企業が独自に研究開発したもので、中国で初めて承認されたAAVベクター遺伝子治療薬でもあり、2025年4月に中国での販売が承認されました。
これまで、臨床での標準治療は凝固因子補充療法で、患者は生涯にわたり高い頻度で凝固因子製剤の静脈内投与を受ける必要がありました。これにより、穿刺による損傷や血管硬化、感染、血栓などの潜在的なリスクが生じるほか、長年にわたる薬剤費、リハビリ費、手術費に加え、就労能力の制限による収入減も重なり、多くの家庭に重い治療負担をもたらしてきました。このため、患者の状態を根本から改善できる革新的な治療法が臨床現場で強く求められています。
生涯にわたって繰り返し投与を受ける従来の補充療法とは異なり、「信玖凝」は1回の静脈内投与だけで、機能性ヒト凝固第IX因子遺伝子を患者の体内に送り込み、体内で凝固因子を持続的に産生させることができます。これにより、第IX因子の活性を安定して高め、長期にわたって維持できるとされ、血友病B患者が生涯にわたり繰り返し治療を受けなければならない負担から解放されることが期待されています。
ただ、値下げされたとはいえ、それでも価格は139万元(約3197万円)と高額で、より多くの患者に行き渡らせるには、依然として課題が残ります。
信念医薬によりますと、同社は関係各方面と連携し、「研究開発+商用化+多層的な医療保障」を一体化した協力体制を構築するとともに、「信玖凝」を各地の普及型の民間補充医療保険に組み入れる取り組みも進めています。現在までに、同薬は北京、重慶、江西、上海、肇慶など各地で住民向けの補完医療保険「恵民保」に組み入れられており、患者の自己負担のハードルを徐々に下げています。(提供/CGTN Japanese)

