フィリピン国防相「中国には『挑発コンプレックス』ある…フィリピンの力で、同盟国と共に抵抗」
「もちろん中国が最大の脅威です」
フィリピンのギルベルト・テオドロ国防相(62)は1秒もためらわなかった。韓国国防部主催のソウル安保対話(SDD、7~9日)に出席するため訪韓したテオドロ国防相に9日、「フィリピンが直面している最も大きな脅威(Threat)は何か」と尋ねると、こう答えた。
テオドロ国防相は「中国はわれわれの領土を占有しようとしているという点で脅威だ」と強調した。テオドロ国防相は8日、SDDでパネリストとして発言中、聴衆席から「(南シナ海)仲裁判断は違法で無効」という内容のメモを受け取ると、「中国側から渡されたメモのようだ」とし、「これは国連海洋法条約(UNCLOS)を床に投げ捨てて踏みにじる行為であり、実質的な強圧であり、嫌がらせであり、侵略行為」と批判していた。
フィリピンは南シナ海(フィリピンでは西フィリピン海と呼称)の領有権をめぐり中国と争っている。中国は岩礁やサンゴ礁地帯を人工島にした後、海軍と海警を動員し、流血の衝突も辞さずフィリピンに圧力をかけている。中国側がテオドロ国防相に渡したメモにある「仲裁判断」とは、2016年に常設仲裁裁判所が南シナ海の領有権紛争でフィリピン側の主張を認めたことを指す。以下は一問一答。
--昨日(8日)の発言が注目を集めた。
「私がうまくやったからではなく、中国のおかげだ。中国はUNCLOSに合意して署名したにもかかわらず、今になって書き換えようとしている。中国はベトナム・マレーシア・ブルネイ・インドネシアとも南シナ海の領有権紛争を抱えている。フィリピンは中国と最も長い海洋境界を持ち、太平洋に面しているため、中国がより強硬に出ているのだ。米国はもちろん、日本・オーストラリア・ニュージーランド・欧州も中国を批判している。これらの国がすべて間違っているとは言えないではないか。中国はこれらすべてを挑発とみなしている。中国は一種の『挑発コンプレックス』を持っているようだ」
--どのように対応するのか。
「われわれは可能なすべての法的手段を活用する。同時に、中国が違法な方式で出てくる、いかなる行動にも抵抗する。われわれの力で抵抗し、同盟国と共に抵抗する」
テオドロ国防相は気候変動も安全保障上の脅威と判断している。フィリピンは最近、相次ぐ台風や海面上昇、猛烈な暑さなどで被害を受けている。
フィリピンは韓国防衛産業の「得意客」だ。韓国で建造されたフリゲート艦はフィリピン海軍で、韓国製軽戦闘機「FA-50」は空軍の主力として活躍している。そして中国に対抗する多目的戦闘機(MRF)事業の有力候補に韓国航空宇宙産業(KAI)のKF-21ポラメが挙がっている。
--KF-21がMRFに選定される可能性は。
「今答えるのは難しい。現在、MRF事業のための金融・財源調達策を用意している段階だ。この段階を解決した後、適切なプラットフォームを選ぶことができる」
--フィリピンは韓国戦争(朝鮮戦争)の際に韓国を助けた。こうした歴史的きずなは現在の両国関係でどのような役割を果たしているのか。
「非常に重要だ。最も生々しい意味で両国の安全保障協力の土台だ。フィリピンは国際規範を守るため、フィリピン国民の命を犠牲にしてまで自由と民主主義のために進んで参戦したという事実を証明した。善意によってフィリピン国旗が血を流しながら韓国の地に立てられたという事実が、両国関係の始まりだ」
--フィリピンは第2次世界大戦当時、日本に占領された後、大きな苦痛を受けた。それでも日本との安全保障協力を強化している。
「日本は終戦後、フィリピンに非常に名誉ある態度で接した。日本は国際社会の責任ある一員であることも立証した。そうではない中国とは違う」
テオドロ国防相は「韓国とフィリピンは国防だけでなく産業でも協力しなければならない。産業協力なしには国防協力は持続可能ではない」と話した。
テオドロ国防相は弁護士出身の政治家だ。2007~2009年に続き、2023年に2度目の国防相に就任した。ユーモアを好むスタイルに見えた。記者が「KF-21について良い知らせを期待している」と言うと、「10%割引してくれれば考えてみる」と冗談まじりに応じた。

