中国GT選手権でマシン炎上もスタッフ対応できず、安全面に課題で商業化に大ブレーキ-中国メディア
2026年9月8日、中国メディアの界面新聞は、火災事故をきっかけに課題が浮き彫りになった中国最高峰のGTカーレース「中国GT選手権」について、「課題を克服できるのかなど疑問が浮上している」と伝えた。
5日に上海国際サーキットで開催された中国GT選手権第4戦の7周目、バックストレートでマシン2台が接触しコントロール不能となり、「AAIモータースポーツ(FIST Team AAI)」所属のドライバー、オリー・ミルロイが運転するフェラーリ91号車に激突する事故が発生した。右側面から猛スピードで衝突されたミルロイのマシンは大破し、後部から激しく炎上。レースには赤旗が出された。その際、現場へいち早く駆けつけたのがファントム・グローバル・レーシングのポルシェ79号車のドライバー、ローク・ハルトグだった。参戦ドライバーだったハルトグはレースを棄権し、50秒ほどで迅速にミルロイを救出した。
今回の事故を受けて、ミルロイの所属チームであるAAIモータースポーツは声明を通じて、現地の安全、救助、医療体制の不備を批判し、中国GT選手権の残りのレースから撤退すると発表した。中国GTの主催側も批判に対し声明を発表し、「事前の分析では大会全体の運営は国際レベルの基準を満たしていたが、細やかな管理という点で改善の余地があった」と謝罪した。
記事は「救助に最初に駆けつけたのが公式スタッフではなくレーサーだったという事実は、ソーシャルメディア上で議論を巻き起こしている」と指摘し、「近年、中国GTはシャオミなどのスポンサーとの提携やワン・イーボー(王一博)のような著名人の参戦などで、中国国内の影響力を急速に拡大しているが、今回の火災事故は救助体制の不備を露呈させ、このレースを現実へと引き戻した」と論じた。
その上で、「中国GT選手権を運営するTop Speed(上海擎速レーシングプランニング)の親会社である力盛体育は25年度に営業収益は前年比12.82%増の4億9700万元(約116億円)を、レース収益は前年比27.98%増の3億4500万元(約80億円)を達成した。しかし、人気と資金力だけでは問題を覆い隠すことはできない。対応の遅れにより最終的にドライバーが救助にあたる事態に至り、イベントの安全性と専門性はその拡大ぶりに追いついているのだろうか?」と述べた。
記事は最後に、3月のF1中国グランプリでは負傷したドライバーの緊急空輸を11分で完了したことで国際自動車連盟(FIA)関係者から高い評価を受けたことに言及し、「モータースポーツはそのスリリングな性質ゆえに多くのファンを魅了するが、緊急事態に対応できる包括的な安全対策は不可欠だ。リスク管理の不備は中国GTの成功と人気を危うくし、国家レベルのイベントが基本的な安全や救助さえ保証できなければ、スポンサーはパートナーシップのリスクを再検討する。堅固な安全システムと持続可能なビジネスモデルという基盤こそレースには必要だ」と述べた。(翻訳・編集/原邦之)
