「イランの二の舞」北朝鮮高官に広がる懸念 金正恩の強硬路線で
北朝鮮の金正恩政権が核保有国としての地位を前提とした強硬姿勢を崩さない中、党幹部の一部で「イランの二の舞」になることへの懸念が出ているという。米国との対話の機会を逃せば、将来的に軍事的圧力を招きかねないとの不安が背景にあるようだ。
デイリーNKの平安南道の消息筋によれば、朝鮮労働党中央委員会宣伝扇動部は8月25日の「先軍節」に合わせ、平壌をはじめ全国の党・行政機関の幹部を対象に非公開の講習を実施した。
講習では、金日成、金正日両氏が念願としてきた「主体的核強国の新時代」が実現したと強調。「不可逆的な国家防衛力」が完成段階に達し、外国からのいかなる圧力にも揺るがない戦略的地位を確保したとの説明がなされたという。
さらに、敵対国による「欺瞞的な対話の呼びかけ」や軍事演習縮小などの融和策に惑わされてはならないと指摘。強大な軍事力を土台としてこそ、第9回党大会で示した経済発展を実現できるとの論理が展開された。
ただ、こうした強硬路線に対し、幹部らが一枚岩で支持しているわけではないようだ。
(参考記事:「米軍が金正恩を爆撃してくれれば」北朝鮮庶民の毒舌が止まらない)
消息筋によると、幹部らは表向きには金正恩氏の指導力と「戦略的決断」への絶対的支持を示す一方、内部では今後の展開を慎重に見守る雰囲気がある。特に中央の一部幹部は、核開発を巡って米国やイスラエルから軍事攻撃を受けたイランの事例と、トランプ米大統領が北朝鮮との対話に意欲を示してきた状況を比較しているという。
消息筋は、トランプ氏が年内の米朝首脳会談への期待を示すなどシグナルを送っているにもかかわらず、北朝鮮指導部が沈黙ないし冷淡な姿勢を維持し、「完全な核保有国」として扱うことを事実上の前提としている点について、幹部らが「将来どのような結果を招くのか」と不安を漏らしていると伝えた。

